ブログ - 20200419のエントリ
三月半ばから竹の子を掘っているので、うちの山の竹の子はシーズン・オフになった。産直店の店頭にはたくさん出ているが、値段は半値にも下がっている。もう出荷していないので引き際が良かったことになるが、山の手入れをしないので竹の子は小さいのが多く、いつもの半分ほどの収穫量であった。有刺鉄線を初めて張ったが、イノシシに入られ、食べられてしまった。
そこでのコロナ禍であるが、食べ物関係の仕事だからコロナの被害は少なく、何とかしのいでいるが、不思議なことに気づいた。イノシシは竹の子を食べ飽きる頃、食べもしないのに掘って、その場に放置するのである。他の山でもそんな習性がある、と聞いた。他の野生動物みたいに貯蔵の目的ではないようである。放置していれば腐るか、人間や他の動物が食べるしかない。
なんのためなのか?
イノシシはすごく賢く、人間の考えや仕掛け罠など見破ってしまうことがあり、いろんな業者が撃退グッズを開発しても成功していないのが現実である。ククリ罠など仕掛けていても、掘り出して、(こんなの作ってもおれたちはわかるんだぞ!)と言わんばかりに、掘り出して放置している話も聞いたことがある。
たぶん、イノシシは竹の子を掘って放置し、(人間たちよ。今年もたくさん食べさせてくれたね、ありがとう。これは感謝の気持ちだよ)と言っているのではないか?と考えてみた。
イノシシが里山に降りて来たのは、人間たちが高齢化して山を放置したこともあるが、人間が自然破壊をして食べる物がなくなったこともある。人災なのである。コロナが人間社会に降りて来たのと同じく、人間が森林を破壊して、森林の住家から追い出されたのである。
イノシシの贈り物は可愛げがあるが、コロナの贈り物は、何と身の気がよだつほど、怖いものである。どこかで折り合いを付けねばならない、と思う。