ブログ - 20161015のエントリ
NHkの委託集金人をやめて4年になる。23年間継続し、豊富な経験・出会いを残した。こんな経験もあった。福岡市内の貧しい借家にいきなり訪れた。優しそうな奥さんが出て来て、上がり框に座って契約書を書いてくれた。わたしはちゃぶ台の上に、四、五人分の夕食が茶碗に盛られていて、ラップがかけられているんを見た。家族が帰ってきて、一緒に食事をするのだな、と思った。ラジオから鶴田浩二の古い歌が流れていた。契約書の記入が終わると、礼を述べて帰った。たったこれだけの10分もないほどの時間であったが、わたしの胸の中には深くしみわたって、残っている。自分にはない家庭の場面であった。
あの場面は違う宇宙に残って人生を続けているにちがいない。