ブログ - 201610のエントリ

落ち蝉の生き方。

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日記
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nakamura 2016-10-30 8:36

  昨日は俳句の会に行った。

 ニンジンの種を播こうと考え、畑を耕していたが、膝に鈍痛を感じ、少し鬱になっていた。人に会えば元気が出るだろうと期待して行ったわけであった。

 公民館の一室で行われるのだが、11人の80歳ちかい男女が集まっていた。今月、作った七つの句を出して合評しあう場になった。自分の出した句がどのように判定されるか不安と期待に混じる時間だ。

 (野晒の死蝉を包む朝の雨)というわたしの句が俎上に載せられた時、女先生は頭をひねりながら、(死蝉ではなく、落ち蝉)と言った。わたしは初めて耳にするその言葉に驚き、考え込んだ。

 最終的に、

 (落ち蝉の骸を包む朝の雨)

 と言う句に先生が更生してくれた。

 わたしは日常生活にはない句が俳句の世界にたくさんあることを知って、日本語、日本文化を改めて考えさせられ、素晴らしいと思った。同時に退職して貧しい年金暮らしの自分の人生がまさに(落ち蝉)であることに気づいて、苦笑したのだった。

蜘蛛の糸一葉垂らし風を見る。

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日記
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nakamura 2016-10-29 18:14

 ほとんど毎日、山歩きをしているので、珍しいものには出会わなくなった。と思っていたら、あれは何なのか?、と思いつく光景を思い出した。山道の真ん中、ほぼ自分の顔が当たるところに一枚の葉が垂れ、一本の蜘蛛の糸にぶら下がり、風に揺れたり回ったりしている光景であった。蜘蛛の網にはよく出会うので無関心であったが、あれは何なのか?と考えてしまった。蜘蛛の仕業には違いないがなんの為なのであろうか?

 わたしの結論は蜘蛛が網を張る前に風向きや風の力を調べているに違いない、と言うことであった。それを知っていなければ効果的な張り方は出来ない。蝶や蝉、トンボなどは風向きを知った上で色んな飛び方をするわけだから、それを知ることは網にかかるかどうか判断する上で大事なことである。たかが蜘蛛であるけど、生きることに調査・研究をする学者でもあるのだ。

 すべての生き物がそうである。どんな人間もしかりである。

人生観の基準は青春時代にある。

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日記
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nakamura 2016-10-28 4:41

  69歳の老男になっていろいろ考えることがあるが、その中のひとつは青春時代にほとんど人生観の価値基準が出来ていたということだ。学生運動や革命思想に感化されたあの多感な青春、それを東京という日本の中心で過ごしたことは計り知れない影響をわたしに与えてくれた。普通の学生であれば大学を卒業して就職し、社会人になっていったのにわたしは10年間ほども学生時代を延長し、アルバイトをしながらその価値基準で社会・政治・人間・自己を観察・分析し続けたし、今もそうである。だからほとんどのひとから、変わり者、と言われる。

 まわりを見回すとそんな男はもうおらず、俗物生活を過ごし、楽しい生活をして長生きしよう、と言う者がほとんどである。わたしは彼らが劣等で自分が純粋だとか立派だなどとは全く思わないが、自分みたいな男がもう少しは残っていてても良いのではないか、と思う。

 今の時代を単純に言ってしまえば、未来よりも今の経済生活を少しでも楽しくやっていければ良い、ということである。それは私だってそうなのであるが、それが負の遺産になり若い者達に残すことに罪を感じる。わたしが戦争から引き揚げてきた父に考えていたのは、なぜ、戦争反対を叫ばなかったか!と言うことであったが、わたしも、何故、あの時未来のことを考えてくれなかったか!と若者達追及されそうな気がする。だから、せめてこのホーム・ぺージで訴えたい。

契約結婚が普及する日。

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日記
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nakamura 2016-10-27 7:34

 わたしは過去に付き合った女のことを時々思い出す。あの女と一緒になれてたらなあ、でも彼女は男好きだったから浮気されて離婚したかも、あんな自己中心的な女といっしょになっても長続きしていない、こんな俺なんか嫌われたかも、などと想像がわくが、実際はどうなったかわからない。人間の心、特に男女の心理なんて永遠の謎に近いものである。

 普通の結婚は終身を前提にしているが労働形態は個人委託契約、有期性、代理店、特約店など様々である。結婚は子供ができて家系を継ぐことなど労働の世界とは大きく異なるが、貞操観念のほぼなくなった現代では従来の結婚形態は通用しにくくなっている。不倫に抵抗感を持つ女は減っているのに終身の結婚制度、一夫一婦制にこだわっているのは時代に適用しない。また、性同一障害など性の複雑な側面も現結婚体制では追いつかない。

 わたしは会社と個人の委託契約で働き、三年に一度契約更新をして働いた。働く側にとっては不利であったが、これを結婚に適用してみてはどうかと思う。実際に契約結婚をしてる例もあり、公序良俗に反しない限り法的には問題がない。生活費のこと、結婚期間、浮気、子供の教育など事前に文書で交えるほうが後々、トラブルは発生しにくいと考える。

 (契約結婚してみない?)などと切り出せば、変な顔をされ、わたしを愛してないのね!などと反発を食うかもしれないが、再婚や高齢者の場合は書面を交わし、契約結婚にした方が効果的だと思う。

野菜が店頭から消える日。

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日記
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nakamura 2016-10-23 18:11

  わたしは家庭菜園での野菜作りを30年間、それに昆虫採集、自然観察を30年以上してきましたが、今年の春からの異常事態に神経質になっています。今年はほとんどの農家の玉ねぎがカビの病気にかかり、玉のサイズが健康時の10分の1くらいで、価格が一個100円になった日がありました。ジャガイモの男爵には酢が入り、硬くなって食べられませんでした。ビワは寒気にあってほぼ全滅でした。柿は暑気が続きすぎて虫に食われ全滅でした。

 今月の初めにネギ、ホウレンソウ、春菊、インゲン豆などの種を播きましたが、芽が出ず、雑草ばかりが茂っています。4、5年前からこんな状態です。20年前にはそんなことはまったくありませんでした。昆虫の量も100分の1以上減っています。

 スーパー・マーケットは全国から仕入れるので野菜の量は十分あるようですが、産直店は地元の農家が出しているので生育が悪ければ出荷がすぐに減ります。わたしが時々出荷してる産直店に開店前に行くと野菜が籠からはみ出すほど入荷されていたのですが、今はその半分くらいしか集まらず、出荷する農家を募集しています。

 この流れが続く予感がします。野菜が採れなくなれば牛や豚も育たず、自然界の食物連鎖の秩序が崩れ、自然崩壊です。人間界も崩壊です。崩れた秩序は復元出来ません。機械であれば修理が利きますが、自然と言う計り知れぬ世界は修理は利きません。

 田んぼを見てください。綺麗でしょう?雑草が一本も生えず、ゲンゴロウもドジョウもタニシもいないでしょう?

  どうしたのでしょうか?

 除草剤、農薬に殺されたのです。稲には害がない、なんては言えません。DNAに悪い変化が起き、人間のDNAにも悪い影響を与えるに違いありません。

 この点を学校教育でもマスコミも取り上げないのは不思議です。

中産階級が80%だった時代。

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日記
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nakamura 2016-10-23 7:00

  人は自分の青春時代を基準にして物事を考え、判断する。

 わたしもそうである。

 わたしが老人になった今の時代をその点から見ると不思議なことが多い。その一つは、いくら頑張っても良い生活が出来ない、結婚して子供も作れない、と言う状況だ。わたしの若い頃は自動車組み立て工、土方、など肉体労働をすれば月に10万円の貯金が出来たし、退職後に失業保険でももらえば遊んで暮らせた。高度成長期であったことがそんな余裕を生んだのであるが、今は人出不足と言われながら現場肉体労働の賃金は上がってない。逆に下がっている。自動車メーカーの期間社員の賃金を見ればよくわかる。四十年前より月に10万円も下がっている!なぜなのか?人出が欲しいのであれば賃金を上げるのであるが企業はそうはしない。内部留保金を貯めているのである。政府はそれを知りながら企業の献金で彼らの生活が支えられていることを知っているので大きく踏み込まない。

 人出が足りないから生産が間に合わないというニュースも出ない。企業の海外進出、産業の空洞化が原因だと考えるが、介護施設で働いている人などの賃金は上がるべきである。政府は施設に補助金など出さずに、老人たちの貯金を若者たちに回し、若者が結婚し子どもを作れる状況を作るべきである。

死語になった言葉ー(スケベ)

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日記
執筆 : 
nakamura 2016-10-22 5:44

 この十年ほどスケベという言葉をまったく耳にしなくなった。わたしは若い頃から、スケベな顔をしてると言われ、まれに好意を持つ女からは色っぽいと言われたことがあった。4,5年前には、エロイ!と言われたが、自分を象徴する言葉が消えたとなると少し寂しい気がする。女が男にスケベと呼ぶことはあってもその逆はなかった。それは女の性が受動的であったに過ぎないが。

 なぜその言葉が消えたのだろうか?侮蔑を含んでいるのか、あるいはすべての人間は性欲を持っているから特定することに意味がないとみたのかわからないが、自分の青春時代の色んな言葉が消えていくのは自分が死に向かっていて、わたしの名前も死語になることを予想させる。

 処女、童貞の言葉、その観念がなくなるだろうと十年前に新聞に書いてあったがその通りになってしまった。オカマ、レズ、ホモなどの言葉も消えかけ、性同一障害などという言葉がとって変わっている。差異が消えるということはそのものの実存性が消えることになるので世界の均質化に通じてしまい、人間が人間でなくなり、人工知能という新人類の確立化を予想させる。

 この時代の変化はすごい速さであるし、誰も食い止めることは出来ない。

女に愛されない幸福感。

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日記
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nakamura 2016-10-20 20:16

 近頃は体調がすごく良くて、今日も一日がアッと言う間に終わった。一週間分の食材の買い出しに行き、昼飯を作って食べた。畑のウコン、シャクヤクに肥料をやり、草むしりをした。

 次は明日に産直店に出荷予定の材料づくり。ニラを採り、水で洗い、10個ほど束ねた。庭に金木犀が花をつけているので出荷してみようと考えた。15本ほどハサミで切り取り、姿を整え、ビニールに包み、水につけた。10束ほどになり、一束100円で出してみようと考えた。ニラはせいぜい一束100円くらいだからすべて売れたとしても二千円にしかならないが、こんなことが生きがいの一つになってしまった。

 夕食前に焼酎をコップ半分ほど飲み、良い気持ちになった。キスをカラ揚げにして食べた。美味しかった。こんな時にそばに座って一緒に食べてくれる女が居たら良いな、なんて思うけど、逆に女にモテルことの面倒さ怖さも知っている。28歳の時、相模原市のボロアパートに住んでいた。なんの拍子か知らないけど二人の女と関係を持ってしまった。一人は週に一度の通い妻でもう一人は隣の部屋に越して来た子連れ女であった。二人の女と交互にやることは楽しかったが、二人が同じ時期に、妊娠したみたいよ、と告げた時はショックだった。幸いな事に二人とも想像妊娠だったから良かったものの本当に妊娠していたら自分の人生は大きく変わっていたに違いない。堕胎させるのは可哀そうだから、出産させたとする。二人と結婚することは出来ないから、一人はシングルマザーになったであろう。養育費を払わねばならない。二人に出す金はない。どうなったであろうか?

 そんなことを考えていたら、女に愛されることがいかに大変なことでもあるか、わかってくる。女に愛されず独りで生活することもまた良いことだとわかる。

過労死と戦う。

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日記
執筆 : 
nakamura 2016-10-19 20:32

 電通の女子社員の過労死は驚きであった。超一流企業のガバナンスが疑われるが、どこででも起こりえることである。わたしはNHKの委託集金人を23年間勤め、NHKに生活を支えてもらった、いやそれだけ貢献したとも言えるが、巨大組織と戦った実績はある。勤め始めた頃は事情もわからずに御用組合に入ってしまい、そこの委員長は仕事を頑張るようにいつも話した。(この組合に入っているのといないのとではどんな違いが出ますか?)と職場集会の場で質問した。彼は答え切らず、そんな組合なら脱退すると言って、その場を去った。

 全国一般労という組合に入り、15人の組合員を集めた。組合委員長の指揮でNHKと闘い、抗議行動を3回やった。NHK側の防衛も強かであったが、管理職や職員たちは私たちの機嫌を取るようになり、わたしは相手の意図や手口がじゅうぶんに見えた。わたしは学生運動の時代に青春を送ったので(造反有理)の気持ちを持っていたが、それ以降の世代は(会社にも組合にも良くみられたい)と言う者が多く、最後は彼らに梯子を外された形になった。

 電通の労組は何のコメントも出しておらず、御用組合であろう。組合費だけ取って、組合員が自殺しても頬かむりじゃあ話にならない。自分の身を守るためには戦うしかない。戦えなければせめて資料作りをし、被害の記録くらい取っていて、いざとなれば出せるようにしておかねばならない。

思い出は夢になって生きる。

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執筆 : 
nakamura 2016-10-15 5:27

 NHkの委託集金人をやめて4年になる。23年間継続し、豊富な経験・出会いを残した。こんな経験もあった。福岡市内の貧しい借家にいきなり訪れた。優しそうな奥さんが出て来て、上がり框に座って契約書を書いてくれた。わたしはちゃぶ台の上に、四、五人分の夕食が茶碗に盛られていて、ラップがかけられているんを見た。家族が帰ってきて、一緒に食事をするのだな、と思った。ラジオから鶴田浩二の古い歌が流れていた。契約書の記入が終わると、礼を述べて帰った。たったこれだけの10分もないほどの時間であったが、わたしの胸の中には深くしみわたって、残っている。自分にはない家庭の場面であった。

 あの場面は違う宇宙に残って人生を続けているにちがいない。

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