ブログ - 20130908のエントリ
庭の地面に、100枚ちかい畳が置いてありました。亡くなった母が雑草が伸びるのを防ぐためにそんなことをしたのですが、井草が腐って強い糸が何本もむき出し、歩く足に絡まったり草刈り機の歯に絡まったりしてすごくじゃまになっていました。8月いっぱいかけてすべて処分しました。クワで掘り出してビニールの糸をひっぱりだし、腐っていないハッポウスチロール製の畳はワゴン車の中に入れて焼却場に運びました。畑の土が舞い上がり、汗まみれになって気分が悪くなりましたが、やり終えてほっとしていました。
畑のレイアウトをどうするか考えましたが、今まで作っていた畑はニラとサトイモだけを残し、あとは休ませることにしました。畳を取り去った跡地を耕し、そこを自然農法でやってみることみしました。地面を掘ってみると、畳の上にたくさんの枯葉がのって残り、あとは分解して腐葉土になっていました。カリフラワー、イチゴ、キャベツの苗を5本ずつ買ってきました。その畑に穴を掘り、苗を入れ、腐葉土で埋めていきました。枯葉が鳥の羽のようにやわらかく、子供を羽根布団の中に入れてやるような気分になって、すごく幸福でした。(お布団の中でゆっくり休むのよ。これからは店頭に出されてるばかりでなく、おじさんが育ててあげるからね)と心の中でつぶやき、赤ん坊を抱いている時の気持ちになっていました。中には細い茎が切れそうに弱っているのもありましたが、(がんばれよ!)と声をかけてあげました。ジョロに水を入れて、一本ずつの根に水をかけてあげました。暑気が去り、秋晴れの空にはウロコ雲が伸び、うっとりするような気候でした。
苗はあの産室の中で育っていくだろう。
だけどあの腐葉土の手触りはなんという心地よさだろうか?人類がアメーバだった頃、泥海の中で育った記憶にちがいなく、それを自分のDNAが思い出してるにちがいない。
土葬で埋葬去をされていた頃、死体はあの腐葉土の心地よい夢を見ながら土に還っていったにちがいないと考え、感慨にふけりました。