ブログ - 20200128のエントリ

親を選べない子、子を選べない親。

カテゴリ : 
日記
執筆 : 
nakamura 2020-1-28 11:06

  先日の毎日新聞に、変わった記事が出ていた。それは時代を象徴し、あるいは時代の中で生まれたのであろう

 ある母親の、小学生の息子が、友達をつれて帰ってきたので家の中に入れ、友達を迎えた。おやつを出したりして友達をもてなし、夕食を食べさせた。ところが、その友達の中に、息子や友達とはまったく関係のない男児がいたことが後にわかった。その子は時々、そんなことをして食べ物にあずかっていて、その子の両親は仕事が忙しくて育児放棄をしており、そんな放浪者みたいな子を最近、見かけるという。

 わたしはその記事を読みながら笑い、悲しくなった。

 まるで、野良犬ではないか?犬でさえ、自分の子供はきちんと育てるというのに。

 その記事は、わたしが今、とりかかっている小説に通じ、私の幼い頃にも通じているのである。私の母親は、今でも理由がわからないのであるが、まだ立ち歩きの出来ない私を家に独り置いて出かけ、わたしが小学生になると、夏休み、冬休み、春休みには、親類先に何か月も、わたしを預けたのであった。

 今でも、幼児の頃の出来事を鮮明に憶えている。庭先に出て地面を這いながら、母を叫び求めた体験は決して忘れない。泣き続けて横隔膜が痙攣し、息が止まりそうであった。私がドモリであるのはそのせいであろう。女狂い、と若い頃に呼ばれたことは、母を追い求める原体験に根があることが自分でもわかるので、それを作品化したいのである。

 人は、職業や居住地、結婚相手、移動などいろんな自由があるのに、親の選択、子の選択、血筋の選択は出来ないのである。遠い将来には選べるようになるかもしれないが、すべたがうまくマッチするわけではない。今は、世襲制が強く、どんな親の元で産まれるかによって、将来はほとんど決められてしまう。

 でも、逆境を乗り切れば、すごい人物になることができる。この私だって、その可能性が0というわけではない。

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