ブログ - 20200102のエントリ
嫌われる勇気、という本は出ているが、嫌われる力、という本はまだ出ていない。悩む力、という本はベストセラーになったいきさつからみても、次はここで、嫌われる力、について書いてみたい。動物や植物、昆虫の世界には、嫌われることを武器にしているものがたくさんいる。毛虫はあの姿で嫌われ、怖がられることによって、幼い命を守り、蝮草はマムシのまだら模様をかぶって身を護り、秋になると赤い実をつけて鳥を呼び、子孫を遠くに運んでくれ、とうったえている。スカンクやヘフリムシの出す嫌な臭いなど、嫌われることを武器にしているのである。
嫌われることがいけない、と言っているには人間界だけである。セクハラで困っている女性がいれば、ヘフリムシのように臭いオナラを吹っかけてやれば良い。下手にきれいに飾るから体を触られてしまう。
わたしなど、時々は、良い男と言われることがあるが、だいたい、助平ったらしい顔とか、覗き見るような目線をしてるとか、長ったらしい難しい話をするとかで嫌われることが多い。だから、正月だって、独りで過ごしているわけであるが、女難にあったり、詐欺しにあったり、騙されたり、金を借りられたりすることもない。嫌われることが身を護り、孤独三昧の生活が出来るわけである。
正月の一大ニュースといえば、ゴーンさんの国外逃亡である。すっかりマスコミから忘れられ、どうしてるのかな?と思っていな矢先の事件である。新聞もテレビも色めき立ち、国民もその痛快さに喜んだであろう。自家用ジェット機でレバノンへ、しかも楽器入れの道具に隠れて逃げたのであるから、月並みのテレビドラマのストーリーなど超えている。まさに奇想天外であり、誰もがうらやんだに違いない。正月といえども、バイクに乗って近隣の店の安売りに走るこの私とは月とスッポンの身分の違いである。一生に一度ははゴーンさんみたいなスケールの大きいことをやってみたい、と思ったのは私だけであろうか?
日産自動車への背任罪で告訴されている身分から、一躍、スーパースターの位置に戻ったのである。コスト・カッターと呼ばれて、大胆な改革を行った彼は今度は大胆な冒険に成功した。見事である。今度はテレビにでも出演したり、講演活動、執筆で名前を売ってくれるかもしれない。あるいは、日本の総理大臣になって、政治ブローカーの腕を発揮し、弱者を助ける偽善者になるかもしれない。
日本から、珍しくスーパースターが産まれたこの歳は、次にどんな異才をうむであろうか?