ブログ - 20160328のエントリ
本屋で(オール読物)という文学雑誌を立ち読みし、松本清張賞に応募していた(ガラパゴスの女)が予選で落ちていたことを知りました。かすかな落胆がありましたが、懸念材料が消えて安心しました。障害者仲間でのイジメがテーマだったのですが、彼女らの障害を生々しく表現しており、登場人物のモデルが誰なのかすぐにわかる小説でした。間違って賞でも取って、本が発行されたりすればわたしが非難されることは確実でした。わたしたちの恥部を材料にして、金(賞金は500万円)を取った、と噂されたでしょう。数年前に芥川賞を取った女作家がモデルから名誉毀損で訴えられ、自殺しました。
マスコミに顔写真を出されることも出版社から原稿の依頼を受けることも無く、従来通り、この場で自由に書けるのです。無名であることの自由度は有名になった人にしかわからないでしょうが、無名であるわたしには十分わかります。このホームページは独断で無償で運営しているので実名を出したりしない限り心配はありません。多くの人に興味を持ってもらいたいと思いますが、閲覧者数に惑わされることもありません。
落選したからにはこのホーページに掲載することを考えています。その時には是非、読んでいただきたいです。
小春日和に誘われて、散歩に出ました。いつものコースですが、人と出会うことのない山中です。スマホで(面白山の滝)という新曲を聴きながら、上り坂、下り坂、つまずきそうな石ころ小道、清流のせせらぎ、小鳥のおしゃべりなど交えながら、すごく良い気分になりました。吉幾三さんの(ひとり北国)の歌になると声を出して思い切り歌いました。5月の発表会で歌おうと考えている歌ですから、力を入れました。
小道のそばで(マムシ草)に会いました。昨年は赤い実をつけていましたが、枯れて、新芽が出て伸びていました。マムシのような鎌首を伸ばし、まだら模様の茎で体を支え、(おれはマムシなんだから近寄ると怖いぞ!)と威嚇しているのです。秋になると赤い実をつけて、寄ってらっしゃい!私って、きれいでしょう?と訴えるのです。まさに人間の心です。マムシ草のラッパ状の花は緑色のままで花らしくありません。一匹のハエが花弁に止まっていました。花弁の中を覗きこんで見ると、小さなハエが落ち込んでいて、上ろうとしていますたが滑って上れません。この植物は食虫花でもあるのです。小さなハエは何度も足で花弁を掻くのですがすべるばかりです。
わたしは楊枝ほどの枯れ枝を拾って小さなハエの前に差し出しました。小さなハエはなんのことかわからず足を滑らせ続けていましたが、小枝に足をかけ、上ってきました。わたしの指まで来ると、羽根を広げ、飛び立ちました。
人間社会にも騙したり、脅したりしたりして生きている人がいます。自然界も同じですが、自然界ではずるいとか悪いとかいう考えはありません。マムシ草は野生動物や人間を脅すので、嫌われ警戒されます。それが繁殖力の弱さになっています。人間の場合もそうです。白菜やキャベツなどは美味しい味を出して人間に好まれ、庇護を受けることで繁栄していますが、人間界での嫌われ者や怖がられる者たちは女も近づきにくく繁殖力が弱くなります。