ブログ - 20160316のエントリ
ほとんどの男女は自分の好きな異性(性同一障害者もいるのでこの言葉も今後は変わっていく)を自分だけのものにしたい、と望んでいるし、そうでなければならないと考えている。不倫はタブー視されている。これは一婦一夫制に基づいているわけで、わたしもその観念に支配されている。不倫は許されないことである、と言う考えは一妻多夫、一婦多妻、乱交の世界では通用しない。現在でもその制度を残してる国や所もある。
88歳の老女はこんな話をしてくれた。亡くなった夫は特攻隊員であったと言って、白黒の顔写真を見せてくれた。眉の濃い、目線の強い、武士の魂を残した顔であった。わたしは自分が彼に見つめられている気分を覚えた。太平洋戦争前後の日本人の表情は素晴らしい。生き生きとしていて、これから命をかけて闘う、負けてしまったがこれから国づくりをする、と言う精神が宿っている。
老女は話し続けた。あの頃、お父さんは防空壕の中に隠れる生活をしていた。で米軍の爆撃攻撃から身を護る為に女学生と抱き合って隠れていた、と言う。戦争が終って彼が仕事について働き始めた頃、、夜勤の時には駅までわたしが見送りに行ったわ。そしたら、電柱の影にもう一人の女が毎日、立っていて、主人を見送っていたの・・。
(わたしは驚いたけど、主人には何人もの女がいて、交際してる話しをしてくれた。わたしは主人も青春を戦争で失った人だから、許してあげた。私たちの家庭を壊さなければ何人の女とつきあってもかまわない)、と。
彼女の気持はじゅうぶんわかったが、わたしは次のような老女とも出会い、話しを聞いた。主人に愛人が出来て、外泊を繰り返し、殺してやりたいほど女が憎かった。それはわたしが主人を愛していたからなの。
この二つのケースはまったく矛盾しているがある点では一致している。亭主を愛していた、と言う点である。愛憎は裏腹であるが、許してあげる、と殺してやりたいほど憎い、も単に重なり合っているに過ぎないのであろう。