ブログ - 20150607のエントリ
(エントロピーの法則)をネットで調べると次のように書いてある。ある若者が散らかり放題の部屋の整理を始めた。本やビデオを本棚に入れ、机の上のペンや鉛筆を鉛筆立てに入れ、ゴミを掃除機で吸い取った。丁寧にやったので12時間かかった。ところが排尿する時間がなく、部屋の中で漏らしてしまった。部屋は乱雑・不潔な状態に戻り、エントロピ-の数値が増えた。事物は放置しておくと無秩序に還ることを言いたいのである。
これに私は疑問を抱いた。
わたしの部屋は人が訪れることはほとんどないから、整理や掃除はしない。ゴミが溜まればホウキで外に掃きだす程度である。本や、チラシ、醤油や酢漬けにしたビンが置かれ、エロDVDが女の裸体を見せて床の上に置かれている。自分が通る道だけはスペースが空けられている。あるセールス・マンが仕事で部屋に入った時、おたくはやはり(レア)ですね、ビデオをこんな所に置いて、と言ってエロDVDに目を向けて言った。
無秩序のように見えるが秩序を持っている。わたしは肘掛座椅子に寝そべって本や新聞を読み、ビデオを観、考え事をしたりする。ポーの小説が手に一番近い位置にあり、タオル、目薬、ツマヨウジ、耳かき、血圧計なども近い位置に置いている。よく使う物を手元に置き、めったに使わないものは離れた場所に自然に配置されたのだ。これを一般的な整理の仕方でやると、興味のあるポーの小説やその他の本、DVDも本棚に入れられ、わざわざ立ち上げって歩き、取り出さなければならない。非効率になってしまう。合理主義、利便性、快適さなどという観念は良いように見えて実は悪い部分を持っているのである。
自然界は決して乱雑ではなく、人間が考える以上の秩序・役割を持っている。落ち葉の存在を考えてみよう。タンポポの種は風によって遠くに飛び、子孫をばらまくように出来ているが、落ち葉は周辺に刺状のものを作っている。遠くに飛ばせないためだ。また完熟堆肥になって親木に養分を吸収させなければならないからだ。枯葉は親木の下の地面の水気を保ち、雑草の種が飛んできても雑草が芽を出さないようにしている。
人間は自然界の秩序を見習わなければならない。