ブログ - 20240731のエントリ
今月の読書会は平野啓一郎氏の(本心)と言う小説が材料であった。難しいテーマが良く書けているな、と言う意見がほとんどで、自分もそう思った。事故で亡くなった母親の分身を作ってもらい、主人公がいっしょに生活すると言う近未来小説である。ただ、その時の母親の本心が十分書けてていなかったことが残念であった。
自分は母を孤独死で亡くしていたから、その小説みたいに分身としてつくり、旅行につれて行ってやったり食事を作ってやったりすれば楽しいだろうと想像した。
そこで思い出したのは、昭和41年に政府の出した(期待される人間像)という言葉である。知性に富み、健康な国民に育つことを考え出してつくった像であったが、それが実際に青少年、自分も含めてであるが、にどんな影響を与えたか?を考えると、受験戦争ばかりを刺激して、自分みたいな不幸な男を造ったとしか思えない。小学校も含めて学校は教育と言う美名のもとの受験塾でしかなかった。個性を重視するのではなく学歴や偏差値で人を判断したに過ぎないのである。
人は不完全なものであるからトラブルを起こす。セクハラ、パワハラ、モラハラんどがニュースをにぎわし、愛知県知事みたいに二人の自殺者まで出して、県政に滞りが起こっているのである。いっそのこと、AIを知事にすればそんなトラブルは起こりえない。全く問題を起こさないようにデータを入力すればいいだけである。それが期待される人間像、そしてAI像になるのである。
時代がこのようにして変わっていけばAIが人間を支配し、世界を支配することになる。