ブログ - 20240726のエントリ
毎朝、眼が覚めていやいやながら起き上がり、ブラック・コーヒーを入れて食パンを一枚食べる。起き上がれることを神に感謝しながら、心の中で、あと何年ですか?と聞いてみたくなる。神は応えてはくれない。今、77歳だから迫っているのは確実なのである。
四十年前、NHKの集金をしていた頃、ある家を二か月に一度、訊ねていた。宗像市の野添という部落で、払ってくれる老婆にはどこか違う雰囲気があった。ぽつりぽつりと身の上を話してくれた。どこかぽつんとした若者が家の中にいて、老婆は夜勤だからこの時間に家にいると言っていたが、引きこもりの孫であったことが今はわかる。
玄関のそばには古びた納屋があって、クワやスコップやワラ、カッパ、竹竿などが雑然と置かれていた。自分はなんとなく気にかかる雰囲気を感じていたが、老婆はある時、夫がそこで首をつって死んだと言った。
おれは死ぬ時、どうやって死ぬんやろうなア?といつも老婆に聞いていたが、彼女はわかるはずもなく黙っていたのであった。
その話は当時の自分には人ごとであった。今では自分のことになってしまった。あと何年生きて?どんな死にかたをするのでしようか?教えてください!と言いたくなったのである。自殺した納屋を見たいと考えてその納屋を訪ねたことがあったが、すでに取り壊され、新築の家が建っていた。