ブログ - 20200809のエントリ
小説(磁場)を書いていて、これまで謎がとけなかった状況が見えてくるようになった。人生では、魔の瞬間、と言われる事態がある。このままでは同じ失敗になり、困った状況になるとわかりながら、はまってしまうのである。女との出会いにおいて、こちらから誘ったわけではなく、相手から転がり込んで来て、体の関係が出来ると、なんであの時、私を抱いたのよ?とか、もう一人の女の男からは、俺の女に手を出しやがって!と怨まれたことがあった。こちらは家出をして行く場のない女を慰め、救ってやった(一人の女は自殺をしにやってきたのであるが)のに逆恨みをされるのである。
思い返してみると、不思議なことに二人とも家出をしてきた女であった。
そんな時、やばい!と思いながら、転がり込んできた女を追い出すわけにはいかず、なんで家に入れてるんだ?追い出せ!と男から怒鳴られ、女は追い出されたら自殺します!と叫んだのであった。四十年前のことであるが、殺人事件にも至らなかったことが不思議である。自分には落ち度はない、と考えながら、女が家出する前から相談にのったりしてちょっかいを出してたとも言われた。
自分の意志とは無関係に手が伸びてしまった、というしかない。言葉で説明できるものではないし、それをすれば言い訳になってしまう。磁場、なのである。磁力に曳きつけられた鉄粉みたいな頼りない自己に縮小されてしまう。だが、年をとると、磁力も弱まり、曳きつけられることも曳きつけることもなくなった。
小説の中で、なぜ、その時、おまえは俺の前にいたのか?と女に言い返してやった。