ブログ - 20161204のエントリ
田舎に引きこもった生活をしているが、昨日は友達の誘いで、町の公共施設にジェフ・バークランド氏の講演を聴きに行った。(障害は個性)という題であり、それは常日頃自分も考えていたので珍しくはなかったが、彼が20歳で来日し、46年間を過ごした体験を基にしての話だったので中途退席する観客はいなかった。彼は東京・駒沢で学生・下宿生活を始めた話をした。そこでは共同風呂に入る時に、下宿生たちに(お先に!)と大声を出して風呂に入ることになっていた。彼は最後に入浴するのでその言葉は要らないのであったが、必ず(お先に!)と叫んで風呂に入った。ある日、彼が外に出て、バスに乗ろうとした時、バスを待っていたおばあさんが彼に(お先に)と言って乗ったので、びっくりした。(お先に!)とは風呂に入ることだったのではないか、確かにどちらもBUS,BAThであるがとジョウクを入れて、その出来事を友人に聞いたが、友人はバークランド氏の誤解を丁寧に説明してくれたと言う。
バークランド氏ははっきり言わなかったが私が彼の真意を想像するには彼自身が日本語もわからず、生活も出来ない障害者であったということだ。それは一時的なものであり、彼は好奇心と猛勉強によって生活で出来るようになり、健常者に変わった。日本人を観察し、20歳までの彼の生活習慣と比較して違いを理解し、吸収した。人権と言うのは相手の置かれている生活、環境を理解し、自分との差異を発見して受け入れることだと言いたかったのだ。
日本人は謙虚なので日本の文化は受信型であり、外国は発信型文化だとも言った。聾唖者も観衆にしての話だったので手話通訳士が通訳をしていた。バークランド氏は通訳士の名前を手話で現した。塩田さんの場合は顔全体を引掻く身振りと両手の平開いてを交える手振りで現した。彼自身の彼の豊富な体験も交えてドラマの監督でもあった。
わたしがそれ以上印象に残ったのは、彼が人間にとって一番大事なものはなんですか?と観衆に尋ね、命、金、愛などと聴衆が答える中で、それは酸素です、三分間酸素を吸わなかったら死んでしまう、と答え、次に水です、重力です、と話した。彼の実家はアメリカの砂漠だったので日本に来て初めて傘を差したとも話した。砂漠では水は貴重であるが日本ではあるのが当たり前なのである。
彼は自然が一番大事である、と言いたかったのである。日本人には出ない言葉である。酸素、水があるのは当たり前だと考えているからである。