ブログ - 20150702のエントリ

最後に笑う者が勝ちなのだ。

カテゴリ : 
日記
執筆 : 
nakamura 2015-7-2 17:44

 二日間、寝込んだ。息が苦しくて、出来ない。必死で空気を吸い込みながら、誰かが、か細い声で泣いている。何度もしつこく呻いている、女みたいに。誰だ?

 お前だ。俺じゃないか。俺の喉がヒーヒー泣いているのだ、俺は悲しくもないのに。布団が死を許された場所に変わっただけなのに、三年前のバイパス手術をした病院のベットのように。妻はいないし、二人の息子は家をでたまま音信不通。喘息だとわかったがそれにしては食欲も絶え、額に手を当てると微熱が感じられる。倦怠感が酷い。心臓に異常がくれば心不全を起こす。一週間ほど、草刈機で屋敷の中の草を刈った。ヤブガラシが歯に巻きついて何度も振り払った。土地は700坪もある。体調が良かったので、いつもの山道を二回(一回に付き1時間半)散歩した。汗まみれになり、帰宅したら扇風機の冷風を浴びた。

 昼食、夕食が食べれられず、肺炎に進んでいるのでは?と思い、病院にいくことを考えた。いつもの通院先にするのか、入院を予定したほうがいいのか?喘息の吸引器を買ってみようかと迷った。

 二日目の夕ご飯から食べれるようになった。

 布団の中で寝てるのが心地良かった。笑いながら死ねればそれは最高の死に方だ。肺炎を起こして死ぬ。心不全を起こして死ぬ。死ぬことの楽しさを考えていた。最後に笑う者が勝ちなのだ。明け方、出入り口の窓辺に目を向けると女が立っていた。ドテラのような厚い着物を着て、黒い横向きの姿で後頭部をマゲで結わえ、その形がはっきり見える。体を曲げているが何をしてるのかわからない。あれはポール型の洋服掛けにかかけた自分の何枚もの作業服ではなかったか?姿は顔を見せず、少し、左右に体が揺れている。以前にもあった、半覚醒状態の時によく経験したことだが、出入り口の所で子供の声がしている。何人もの男の子だった。こんな時間にどうして知らない子供がいるのだろう?なにかおかしい。どこか変だ。おれの感覚・意識ははっきりしているのに。子供たちはいつの間にか部屋に上がりこみ、わたしの足元に居た。そして、わたしの右指が握られた。感触まではっきりした。

 はっきりと目覚め、独りの俺が布団に寝ていた。

 食パン一切れ、豚カツを食べ、コーヒーを飲んだ。9時半に情報プラザに行き、パソコン教室でスライド・ショーを学んだ。

 昼食を取り、夕方まで肘掛座椅子で休み、(黄昏ララバイ)を聴き、小声で歌う。畑に出て、ヤブガラシの刈り跡を見る。少し刈り残しがあった。

 三本のキュウリの蔓が延び、万歳をしている。二本は竹の杖に巻きついているが、一本は空に伸びている。

 さっき俺の手を布団の中で握ったのはお前だったのだな?

 そんなことを考えて、自分の顔に笑顔が出たのがわかった。

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