ブログ - 20141004のエントリ
歌舞伎の世界には女形という演技上の役割があるが、これは世界を見渡しても例のないものである。封建時代という武士の時代において、女が舞台の上に出るなんてケシカランという男尊女卑の考えに根を発していて、男が女役をやるようになったというのが通説である。現在においても女の相撲取りは存在しないし、能、狂言など舞台の世界にも女はいっさい登場しない。
ところが戦後に発生した演劇、歌謡ショウ、テレビのショウ、漫才などすべての芸能においては男も女も自由に舞台に立つようになった。同時に女が男役をする宝塚が登場し、また歌謡曲においては男歌・女歌を男女が自由に歌うようになった。これは日本独自のもので欧米では男が女性歌手の歌をうたったりすると、ホモのレッテルを貼られて蔑視されるのである。それだけ騎士道の精神が残ってるということだろうが、それであれば武士道精神の盛んな封建時代において男が女役をして女の真似をすることなどとがめられて良いはずではないか?なぜ、赦されたのか?
ここでわたしは日本文化・日本人への異形性に考えを巡らしてみたいと思った。