ブログ - 20130829のエントリ
前回の(一撃必殺の世界)の閲覧者数が一日10人ほどもありました。それほどの関心をも持たれるとは思ってなかったので嬉しかったです。それで第二弾を書きます。
(俺達はなあ、お前らがかわいいから殴るんだ。強くなってほしいから殴るんだ)
二年坊はこんなことを言って、ミゾオチに鉄拳を叩き込んでいきました。
その言葉を今になって思い返してもまったく理解出来ません。
無抵抗で弱い者を、いやそうだから殴ったのでしょう。一年坊が思うように動かないので苛立っていたのです。一年坊の中には四年坊を実兄として持っている者がいましたが、二年坊が彼に容赦しなかったのはリンチが習慣になっていたからです。4年生が3年生を、3年生が2年生をと2年生が1年生を殴る。戦後になって20年がたちながら、日本軍隊の内務斑の世界がそのまま残っていたのです。
現在、このリンチの話をすると体育系を体験した者は、俺もそうやって先輩から鍛われた、とこともなげに言います。これはイジメの体質に通じています。普通のイジメは多数VS一人ですがこれは多数VS少数です。動物の世界にも捕った獲物をそのまま食わずにもてあそぶことがありますが、それに似ています。本能的なものでしょうか?
リンチやイジメは政治の支配体制が変わらない限り、なくならないないでしょう。対抗策としてはイジめられたら叫ぶ、あるいはデータに残して後日裁判に訴えることでしょう。
あの世界には4ヶ月間しかいませんでしたが、10年間もいたような重さがあります。
1対1で相手と向き合い、(殺す気持ち)で構えた時の精神状態はなんとも言えません。(恐いだろう?)と多くの人は思うでしょうが、ちがうのです。精神が弓を引いた時のように引き絞られ、一点になって(生きるか死ぬか)の緊張感がはり詰めていく。その時、すべてのことが自分の中から消え、(恍惚)状態になるのです。
極限の快感なのです。射精寸前の快感なのです。
それが恐いのです。戦争や殺害行為における(破壊の快感)に人間は捕らわれ、逃げられなくなるのです。戦争をやめ、引き返すことが出来なくなるのです。
だから、戦争は恐いのです。人間たちに破壊の快感を目覚めさせてしまうからです。
自国の軍備を持つということはこのことなのです。
戦争がこの世からなくなることはないし、武器を持つことは(一撃必殺)の覚悟になる、と。