ブログ - 20220127のエントリ

コロナがついにやってきた

カテゴリ : 
日記
執筆 : 
nakamura 2022-1-27 8:07

  2週間前、職場のトイレでのことだった。

 「コロナが流行りよりますね?」

 仕事仲間の男が小用をたしながら、声をかけてきた。

 「うん。でもこの町は町内の感染者の数を出さない。感染者が特定されるということが理由だけど」

 二年前、町内の感染者を公表していた頃は、・病院の看護婦だとかコンビニのレジの女だとか、噂になって広がっていたが、近頃はそれはなくなった。

 「おれなんか、時々、コロナに介錯してもらってあの世に行ったほうが良いと思うよ」

 半ば冗談のつもりで言うと、男は黙り込んだ。

 十日前、職場の先輩が突然、やめた。理由はわからない。

 一週間前、もう一人の先輩が体調不良でしばらく休むと電話をかけてきた。

 三人のローテーションでやっているので、自分の持分は月に二日間増やされた。

 事務所に行ってそのことを職員と打ち合わせているときに、・さんは発熱している、と彼はしゃべった。

 自分が驚いると、・さんはpcr検査を受けていると付け加えた。結果は明日にわかるらしい、と言い、翌日に訪れると、陽性だった、と答えた。自分は・さんとは一週間前、四、五分間しゃべったし、職場は多くの人が出入りするところである。

 帰宅しようと、バイクでゆっくり走っていると、背後から男が声をかけてきた。

 バイク屋のオヤジだったので、中古のカブはないか?と尋ねると、新車のバイクもコロナの影響で納品が遅れ、中古は高くなっているという。そんな会話の中で、職場の先輩がコロナにかかった、と口をすべらしてしまった。マスクをしていた彼は飛び上がって、後ろに退いた。

 その勢いと恐怖の表情を見て、しゃべって失敗した!と思い、逃げるようにバイクを走らせた。

 でも?と考えた。発熱したら保健所に電話をし、どこで検査を受けるのか?入院したらどんな治療を受けるのか?知り合いとはどんな人間関係を持つのか?コロナはインフルエンザとは症状がどんなふうに違うのか?などが、わからず、パニックに陥るかもしれない。自分は一人者であるが、家庭をもっている人は大変なことになってしまう。

 自分のことだけではない。

 

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