ブログ - 20201013のエントリ
およそ55年前、19歳の時、自殺をしようとして、家出をした。高校の修学旅行で楽しかった箱根に行って、山を、彷徨した。別荘やトイレで寝泊まりして芦ノ湖の湖面を観たり、そのホテルから流れる、ブルーシャトーの曲を耳にしながら、三日目に、睡眠薬とウイスキーを飲み、トイレの中でロープに首をかけた。ところが、酔いもしなければ、首にロープをかけた自分の姿がいつまでもあるばかりであった。虚しく、ばかばかしくなった。二次志望の大学に落ち、自律神経失調症になって頭がぼんやりし、便秘症になり、ドモリは治らず、両親は喧嘩ばかりで、最悪の状態だった。
無理に死ななくても、交通事故で死ぬか、年取って死ぬんじゃないか、人生とはそれを待ってるようなもんじゃないか?それまで生きてれば良いのさ。
そして、55年後の今、9月の女性の自殺者が28%増えて1805人になった、とニュースに出ていた。コロナ事変が大きく絡んでいるが、胸が痛み、55年前の自分を思い出す。今の自分は、生活苦と孤独がからんで死にたいと思うことがあるが、(自殺しなくとも死はやってくる)のである。辛抱するほどの期間でもないが、若い人にとっては耐えられない時間なのである。
その55年間の間、失うはずであった人生の価値、知り合った男女、苦楽は計り知れない。趣味の小説の中に生かしたり、思い出したりしながら、それは、大事な宝物なのである。
あわてて自殺することはない。楽しみは待っているのである。