ブログ - 20200620のエントリ

人の世の残りし夢の界隈や。

カテゴリ : 
日記
執筆 : 
nakamura 2020-6-20 6:46

  さきほど観た夢には、初めての男が登場したことに、気づいた。NHKの集金人をしていた頃の、仲間であった。暴力団の準構成員で、契約・集金の仕事にばつぐんの成績を上げたが、ずる賢さと横暴な性格のせいで仲間からも上司からも嫌われていた。わたしのたちあげた労働組合に入り、ありがとう、といって私に感謝した、思い出がある。心臓病を病み、ついには見放されるようにして仕事を辞めたが、強い個性が印象に残っていた。わたしにもずる賢さと横暴な部分があるので、彼と共振したのかもしれない。

 彼と肩を並べて、スナックで酒を飲んでいる夢で、じっさい、二人だけで飲んだことがあった。NHKの集金の仕事は営業職の中でももっとも嫌われ、難しいものである。ノルマをかけられて、解約(委託契約で働いている)する、と脅されながらの日々であるので、ストレスがつづき、わたしが狭心症にかかったのはそのせいかもしれない。彼は構成員時代のことを話した。突撃隊長をしていた頃の、殺されそうになって大便をもらす男の話をし、わたしは大学で空手をやっていた頃の、一撃必殺の体験談をしたが、それ以上深い仲にはならなかった。

 夢の世界は、面白い。ほとんど毎日、夢を見るので、人生のだいぶの時間を夢で過ごしていることになる。若い頃は、ほとんど女とセックスをしている光景であったが、近頃、老いたせいで、女はすっかり姿を消した。そのかわり、思い出ぶかい景色や男、もう一度あってみたいう男などが登場する。

 H君は大学時代の親友で、彼の住むアパートでよく泊まり込んだ仲である。頭も良く、要領も良く、面倒見も良く、卒業後は美人の女と結婚し、地方の会社に就職し、四、五年前には、、社長になったと書いた年賀状が来た。彼なら社長になれると、喜んだが、彼の妻が私をさして、彼に言った言葉が心に残っている。彼が、わたしがNHKの集金人をしてると言うと、やっぱりね、つぶやいたのであった。わたしは今では、人生いろいろある、と思うのでバカにされたとは受け取らないが、心の底では、あんたの先見の明は素晴らしかったね、と言いたいのである。

 界隈、という言葉を辞書で調べると、一帯、とでているがそれだけではないニュアンスがある。隈には裏の意味があるので(新宿界隈)という言葉にはゴールデン街やション便横丁を含む場合が多い。界隈、という言葉を初めて調べてみて、日本語のなんでも受け入れる語彙の深さに感動した。

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