ブログ - 20181219のエントリ
自分にとって物理化学は不得意な学科であったが、高校時代から哲学や人生論には興味があった。哲学書を読み漁り、苦手であった物理化学を哲学的に置き換え、哲学に敷衍出来ないものかと考えてきた。
今では、量子力学の(重ね合わせ理論)にどうやら、展望があるように思える。シュレディンガーの猫、と呼ばれる理論ー毒ガスを入れた箱の中に猫を入れ、猫は死んでいるか?生きているか?と問うて、(生きてもいるし、死んでもいる)という答え。生と死という人間世界では対立してる概念が実は重なり合っているということを知った。
従来、自分も他者も否定するものへの視点も変わってきた。死、貧乏、孤独、醜、汚い、病気など否定されているものへの再評価が生まれてきた。すると、この世のすべてを受け入れられることになる。
(重ね合わせ理論)は人間社会や世の中を大きく、変えつつある。典型的なのが、社会の性的少数者の認知である。これまで、差別、排除されていた人々に光が当てられ、彼らの結婚まで認められるようになった。バイセクシャルと呼ばれる人たちは異性愛者でもあるし、同性愛者でもある。フタナリと呼ばれる人たちで一つの体に男と女の性器を持っている。男女、女男と呼ばれる人たちもいる。体と心が従来の性の分類には当てはまらないのである。
量子コンピューターは、従来の、0と1の組み合わせから、0でもあり、1でもある、と言う領域を見出し、活用し始めている。デジタル言語に組み合わせの数を飛躍的に増大させ、処理速度もすごく速くなるという。
従来の二項対立ではなく、二項同居なのである。対立概念では世の中や社会、人間はとらえきれなくなっている。これは政治や科学や宗教などすべての分野において適用される。退けていたものを受け入れられるようになれば人生も社会も政治も大きく変わる。
多様性の認知なのである。
現在、あるキリスト教宗派に研究生として、毎週、通っている。
そこでは全知全能の神を崇拝し、悪いことはすべてサタンを呼んで排除する。ある時、次のように神父に言った。神にとってはサタンが必要なのですよ、自分が正しいと主張するには、悪魔を作らなければならない。アメリカにとって彼らが正しいと主張するには北朝鮮と言う、非人権的な独裁国家が必要なように。実はサタンも神も重なり合っているのです。
神父は返事をせず、神は人類を愛しておられます、自分を信頼せず、神に頼りましょう、と言うばかりである。
実は、善や悪には峻別できないのである。すべては二項同居なのである。いや、多項同居であり、それが多様性なのである。従来は混沌という言葉で呼ばれていたが、多項同居、という言葉が生まれるに違いない。