ブログ - 20251127のエントリ
昨夜、寒さをおぼえて、押し入れの中から冬布団を持ち出して、体にかけた。だいぶ暖かくなったが室温は七度であった。電気毛布を低温でいれていたがそれでも寒かったのである。暖い布団の中で死ねれば良いな・・と思いながら、あの中村さんはこの寒さでどうしてるだろうか?と考えた。昨日、彼の部屋に弁当を配達してきたのであった。それまでは公共施設の部屋で仲間たちと麻雀をやった。健康マージャンと言われ、賭けない飲まない吸わないの場であるが暇な老人たちの間でブームにもなっている。楽しかった。
三件目に中村さんの部屋に着くと、閉じられたサッシ戸をノックした。彼はベットのカーテンを開けて顔を出した。表情はなかったがやさしい顔をしていた。ズボンのポケットの中からチリ紙に包んだものを出しかけた。チリ紙に包んで用意していた三百五十円であった、新聞紙もチラシもないからチリ紙に包んで用意していたのであろう。礼を述べて受け取ると、わたしはポケットの中に用意していた吊るし柿二個を差し出し、自分が吊るしたものです、と言った。彼は笑顔を見せて、受け取った。今度、ゆっくりお話をしに来ていいですか?というとうなずいた。
自分の部屋の布団の中は花園みたいである。知り合いや出会った女を想像し、野山を散歩し、集金仕事で訪れた地域を思い出し、どんなところにも自由自在に行けるのである。中村さんの優しい顔はそんな状況ではないか?と思う。
彼との出会いがどんなことになるか?想像すると楽しい。
