ブログ - 20230315のエントリ
自殺者が増えているというニュースがよく出ている。特に、若者や子供が多くなっていて、気が重くなる。自分の若い頃、自殺しかけたことがあったので余計に気が重くなる。六十年まえ、家出し、箱根の山を彷徨した。別荘に勝手に入り込み、トイレで寝たりしながら死に場所を求めた。大学入試に落ち、父母はいつも口論ばかり、ドモリは治らないし、就職できるかも不安であった。どうしたらいいのかわからない。睡眠薬とウイスキーを飲み、トイレの鴨居にロープをかけて首を中に入れた。ところがいつまでたっても眠気は来ず、酔いはしなかった。
仕方なく家に帰ったが、受験勉強をする気持ち人もなれず、家にこもったままぼんやりと過ごした。小説を読みながら人間に生き方を探した。太宰治の小説などは特に感動し、彼が二度も自殺を図り、三度目に成功したことも知った。それから自分はボロ大学に入り、卒業したかどうかもわからないまま、肉体労働をしながら金を溜め、結局何をやってもダメなまま帰郷し、NHKの集金をしながら稼ぎ、結婚したのであった。
あの時死んでいればどうなったか?大食い、大酒、女狂いはできなかったであろう。それらは心筋梗塞を起こし、死にかける羽目に陥らせたが、あれだけの快楽は味わえなかったであろうし、文学に目覚め、神を知ることもなかったであろう。
自殺を考えてる人に言いたい。その絶望的な状態はいつまでも続きはしないのです。必ず、変化がおきます。それを信じて、生きてください。七十五年間、人間業をつづけた私の言うことです。