ブログ - 20220725のエントリ
スイカ畑での、私と野生動物との戦いは三ヶ月になるが、ロシア・ウクライナ戦争みたいな長期戦になってしまった。最初はカラスが敵であったが、釣り糸でスイカを囲むようにしたので、カラスは光る釣り糸で羽根を切られる恐怖をおぼえて退散してしまった。もともとスイカは皮が厚くて丸いため、カラスは食べにくかったのでもある。
次の出番はアナグマで、姿は一度も見たことがない。たぶん、日の出とともにそばの山からやってきて、10分間あまりで食べ、去っているようだ。朝起きの苦手なわたしが起きる頃にはぱっくり割れたスイカが大量出血して転がっているのである。何度この光景にショックを受け、気分を落としたことか・・・。警報機の威力を信じた自分のバカさ加減に見せつけられるばかりである。
後援者である奥様の言葉に従って、スイカ畑で三個の熟れたスイカを見つけ、届けてきた。2個はカラスに突かれた跡が残っていたが奥様は気持ちよく大枚を出してくれた。
この戦いを毎日やっていて思い出すのは、50年ほども昔に見た(眼下の敵)というアメリカ映画であった。太平洋戦争時代の実録を映画化したものですごく面白かった。米軍の駆逐艦艦長をロバート・ミッチャムが演じ、独軍ナチスの潜水艦艦長をクルト・ユルゲンスが演じていてすごく見ごたえがあった。駆逐艦は機雷をおとして攻撃し、潜水艦は魚雷を打ち込むのである。海上の駆逐艦と海底の潜水艦の戦いであるから両方と両者の姿はまったく見えず、音も聞こえない。戦いを終えて潜水艦が浮上し、そこで両者が顔を見合わせ、握手する姿が印象的であったのをおぼえている。
さてアナグマと私の戦いであるがわたしにはアナグマの習性や考えが少しづつ見えてきた。昨年は数匹でやってきたが今年は一匹で小さいやつである。スイカの噛み跡でほぼわかる。一個しか食べておらず、2日に一度の頻度である。スイカにはプラスチックのカゴをかぶせ、ブロックを2枚のせているので人の手でも持ち上げることはできない。アナグマはカゴの下の地面を掘り、もぐりこんで食べている。おかしなやり方を発見した。一箇所をほって食べ終わるとそこから出ると考えていたが、向かいの面の下を掘ってそこから出ているのである。もう一箇所は穴をほって中に入りながら食わずに去っている。竹の子掘りをしているときにもイノシシのおかしな行動を発見したことがあった。竹の子を掘り出していながら食わずに放置しているのである。人にくれてやろうとでも考えたのかわからない。遊びだったのかもしれない。
昨日は日曜礼拝に行って、アナグマの被害について考え、アナグマにスイカを捧げてやったと考えても良いのではないかと思った。スイカは人間だけのものではなく、アナグマにだって食べる権利があるのである。
今、10個ほどのスイカが成長しているが、8月と9月で終わりである。けっきょく100個作る予定であったが、30個ほどで終わりそうである。金儲けにはならなかったが、(眼下の敵)みたいに敵とよく戦い、元気をもらったということである。これからは先に成熟スイカを見つけたほうが勝ちということになる。嗅覚の鋭いアナグマのほうが有利であるが、私だって見つければ叩き殺してやるつもりである。
そして、戦いが終わったら映画のように握手をしたいものである。