ブログ - 20190205のエントリ
先週の金曜日、自分の家の竹の子山に行った。イノシシが出て、竹の子を食い荒らす時期だから、対策に頭を悩ませ、有刺鉄線を張ることを思いつき、様子を見に行ったのである。上下に二本張り、✖印状にしようと考え、そうすると三百メートルのもなる大変な作業だと結論づけた。
山道を歩きながら帰っていると、道を走っていた軽自動車の中から、若い男が自分を呼び止めたので話した。猪猟に来て、わなを仕掛ける場所を探してると言い、自分の山に仕掛けてくれ、とすぐに答えた。二人で、自分の竹の子山に行った。
彼は、ここが通った跡ですね、成獣で50キロぐらいかな、と幅十センチほどの地面を指差し、これは体についてるダニをこすり落としたあとですね、と黄色く汚れた孟宗竹の幹を指差し、さすがにプロであった。今度、来て、カメラとわなを仕掛けるという。
捕ってどうするの?
食べるのです。
どのようにして殺すの?
鉄の槍で突き殺すのです。感謝の気持ちが湧いてきます。自然の一部を頂いてるという気持ちです。
彼は都会からやって来た者で、自然が大好きだという。住まいの近くにサッカー練習場があるが、スポーツより猟の方が楽しいという。
私も同感であった。
昨日、メールが入った。カメラと罠を仕掛けたが、罠にはまだロックを掛けていて、金、土曜日にロックを外すという。
若いのに自然が好きだという言葉に自分は感動し、殺す場面を見させてくれ、と言うと、彼は了解した。
ジョージ・オーエルの小説(象を撃つ)、ジャック・ロンドン(荒野の叫び)を思い出した。同時に自分の書き終えた小説の中で、箱檻の中の猪を鉄槍で殺す場面があることを思い出した。
殺す側の人間がどんな心理状態になるか?に自分は関心がある。
片足が罠に掛かった猪を鉄槍で突き殺すわけだから、闘牛士のような心理であろう。絶体絶命の緊迫状態、すべてを忘れた時、それに酔い、絶頂に達し、射精したと自分の作品には書いている。