ブログ - 20160531のエントリ
(忠臣蔵)は仇討ちの事実であり、舞台で何度も上演された。主君に対してのものであり、個人に対してのものではない。それに引き換え、アメリカ映画、文学には復讐劇が多い。メルビルの(白鯨)にしろ、映画(ケープ・フイア)にしろ、(危険な情事)にしろ、西部劇にしろ、盛りだくさんである。個人に対してのものが多いが国家的な規模のものもある。ストーリーや内容も執拗で復讐は当たり前だという視点である。
アメリカは英国から発祥した。英国は資源の貧しい気候の厳しい国であるから海外に居住地を求めた。侵略した。アフリカ、アメリカ、オーストラリアなどいたるところに進出し、植民地にした。異教徒はサタンであり、キリスト教に改宗させなければならない。アメリカ大陸に上陸し、インディアンと戦い、彼らが反撃すれば、加害者の視点を失って被害者になり、復讐を始める。広島・長崎への原爆投下、朝鮮戦争、ベトナム戦争、イスラム教徒・タリバンとの闘いも真珠湾攻撃をした日本への復讐、共産主義への対抗、9,11事件への復讐である。
その執拗さ・効果的な作戦は狩猟民族・肉食系に由来しているが、現代では経済侵略にテーマを変えた。人権民主主義を標榜し、お互いに経済的に豊かになって幸福になりましょう、と訴えて世界の経済の富を手中に収めようとしている。
熱しやすく冷めやすい日本人には復讐劇は少ないし、銃の規制もあるから、大量殺人は起こらない。
その意味では平和な国である。復讐はある意味では情熱でもあり、(持続する志)でもある。志を持続させた者の方が勝ちである。