ブログ - 20141213のエントリ
午前四時に目が覚めた。布団から起き上がって、石油ストーブに点火し、パソコンを立ち上げ、小説の続きを打ち始めた。一時間ほどで厭き、また布団の中に潜り込んだ。眠れそうで眠れず、布団の中から出、壁の掛け時計を見上げた。いつものようにコツコツと時を打ち、秒針はいつもの速度で回っている。
午前七時であった。
どうしたんだ?これから一日をどう過ごすんだ?土曜日だから株式市場は休みだし、カラオケ会もカラオケ教室も休みだし、曇り空の下で野菜に肥料をやる気にもならない、町営の銭湯に行くのもおっくうだ。こんな部屋にこもってるのもうんざりだ。どうするんだ?
おまえは時間というヤツだよな。生まれてから一秒も休まずおれといっしょに過ごし、また監視もしてたんだよな。まだおれに付きまとってるのか?いい加減こんなおれから離れ、オサラバしても良いんじゃないか?
そういうおまえは昨日計画していた今日の予定をすっかり忘れ、忘れていることさえ気づかないじゃないか?午前七時にいつものコースを一時間半ほど散歩して、十時に文房具屋に行って画用紙と鉛筆を買い、帰宅して昼食を食べ、十二時半に家を出て、一時から絵画教室に行き、入会手続きをしてデッサンに取り組む予定じゃないか。
わたしは厚地のカッパを着て、外に出て散歩し、この原稿を思いついて書いた。さて、画用紙と鉛筆を買いに出かけようか。
朝、目覚めてもなにをするのかわからなくなった時、布団の中に入ったままになった時、時間はわたしから離別し、わたしは時間を失う。そうだ、時間はわたしの育ての親であった。産まれた時からわたしに付き添い、片時も目を離さず、勉強にがんばり、恋をし、泣き、笑い、働き、そして最後は死を見守ってくれるのである、壁の掛け時計のように。