ブログ - 20250420のエントリ
小説を書き始めて、また、筆が停まっている。毎度のことであるが、進めない。ストーリーをあれこれ変えながら、迷いの中に落ち込んでいた。苦しかったが、今、吹っ切れた。要は起承転結を考えすぎていたのである。一般の小説はそうであるが、そうでなければならないというのではない!カフカやベケットの小説を読めばわかる。カフカの(城)では主人公が測量士の仕事を求めて城の周りを彷徨し、ラストは闇の中で虚空を見上げる場面で終わり、ベケットの場合は(名づけえぬもの)に見られるように、同じことを何度も繰り返すばかりである。これは作者の狙いであった。
だから、今書いている(時の谷間)という作品も、ラストで主人公が安楽死の列車に乗っていくことになっているが必ずしもそのラストにもっていかなければならないわけではないのである。人間の一生であっても死ねばこのよから消える定めになっているが、霊になっておなじ人生を霊の世界で繰り返してることだって考えられる。
芸術にはそれだけの広がりがあるのである。これで書き進めることができるようである。