ブログ - 20180201のエントリ
毎日、寒い日が続き、空は薄暗くて、気分が落ち込むことがある。これで春が来、夏が巡って来るのだろうか?と不安になる。
あの日の夏のことは忘れないし、思い出すたびに心を支えてくれるのがわかる。わたしの体の中に入ったタコちゃんは今頃、どうしてるか知らないが、わたしと共に生きていることは確かだ。
津屋崎の勝浦の岬がわたしの勝手な漁場であった。地の島を目の前にして、潮が良く引いたの大潮の日に出かけた。水中眼鏡とシュノーケルをつけ、素潜りをした。浅瀬の海の底は差し込む陽光が金色に光り、無音の中に神秘的な景色を砂地に展開していた。わたしはアワビやサザエ、魚を探しながら漂っていた。岩場におかしな現場を見た。穴の入口に手の平の半分くらいの薄い石が立てかけてあったのだ。横に倒れているのであれば自然であるが、(立っている)ことに不自然さを覚えた。そばに空の貝殻が散乱している。ピンときた。タコの巣であろう。私の気配を察して、穴の入口に塀を立てたに違いない。私はすぐに浮上して、息をたっぷり吸った。潜ると、穴に手を伸ばした。柔らかい感触を得た。タコの体の一部を握り、引っ張り始めた。タコは岩肌にぴったり張り付き、掴まるまいとした。数分、格闘した末、タコは根負けして手の中に入って来た。
あまえも賢そうだけど、賢くなかったんだな。石の塀などしなければ見つからないものを、知恵を回し過ぎたために食べられてしまうことになった。
こんなこと、今、思ってるのはあの時のタコかもしれない?