ブログ - 20170518のエントリ

猫女。

カテゴリ : 
日記
執筆 : 
nakamura 2017-5-18 21:05

 その野良猫は部落の5、6軒の家を順次回り、餌をもらう暮らしをしているので純粋な野良猫ではない。すっかりなつくと、自ら寄って行って、体を撫でてもらおうとするが、初めての人間の場合はそうではない。遠くからじっと観察し、相手の動きや匂いで正体を探ろうとする。相手が寄ってくると、退き、座って、観察する。さらに寄ってくると、また退き、体を寝せて背中を地面に擦りつけ、乳首の見える腹を向ける。人は自分が誘われていると思って、手を伸ばし、触ろうとする。突然、猫は立ち上がって、その指に噛み付き、去って行く。

 その女は亭主を亡くして独り身である。独居老男に食事を作って持って行ってやったり、サプリメントの勧誘をしたり、女友達と食事をしたり、息子、娘、孫の面倒をみたりして大忙しの生活である。結婚相談所のお見合いパーティに行ったり、スナックに入ってママに良い男を紹介してくれと言ったり、いつも男探しをしている。彼女は女友達には、男は出来るだけ長く引っ張るのよ、と言い、男と話をする時には相手の目を優しくじっと見つめ、色気を送る。(あなたって、いい声をしてるのね!私に少し、分けてちょうだい)、(カラオケ教室で、過去ある私で良いの?と歌ったのはあなたに対してだったのよ、わかってるの?この気持ち)などと言って誘いかけ、二度目に会う時にはホテルに行くことにしている。ケチな男は大嫌いである。その男と知り合って、ホテルに行くことになったが、男は金がない、と言い、彼女は幻滅した。嫌いになったのだが、男は燃え始め、しつこく電話をかけて、迫って来た。彼女は警察に相談するのも気が引けて(以前には一度、別な男をストーカーで訴え、警察を介入させt)金貸しの女友達に相談し、暴力団に頼んだ。男に暴力団から電話が行き、男は怖くなって手を引いた。

 彼女は数十人の男達と関係を持ったが、いつもすぐに飽き、73歳になっても男の家に入れられることはない。失礼な言い方であるが野良猫と同じように、ごろんと寝ころんで腹を見せ、男達を誘い続けるであろう。

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