ブログ - 20161124のエントリ

障害者の旅行会。

カテゴリ : 
日記
執筆 : 
nakamura 2016-11-24 18:41

 昨日は障害者20人ほどと観光バスに乗って、田川市の石炭資料館に行った。山本作兵衛さんの炭鉱労働絵を見たり、炭住の生活風景の再現模型など見た。その時代が留められていて、懐かしくなった。

 バスの中では聾唖者夫婦、女性介護者と私の席が接し、話を交えた。顔は知っていたが彼らと口をきいたのは初めてであった。わたしの言葉や聾唖者の手話は介護人が通訳してくれた。妻の方は顔たちの整った美人で、夫は背が高くおっとりした感じであった。妻は写真を出して、わたしに見せた。20歳代の頃の結婚式の写真で彼女と夫の顔が幸福そうに写っていた。写真はいつも御守りのように肌身につけていると言い、彼女の優しさと繊細さがわかった。ダンスをするのが趣味だと言った。欧米風の顔立ちをしていて女優のように見えた。彼女の表情は豊かに変わり、それもコミュニケーションの一つだと後にネットで手話を調べてわかった。彼女は洋裁や掃除や調理の仕事をしてきたて、夫は69歳でわたしと同じ歳であった。自動車販売店の車の掃除をしてると言い、土産は両手に抱えきれないくらい買って交友関係が広いことをわたしは知った。男の子が一人いて、結婚して孫が出来、可愛いと妻は言い、右手で頭を撫でる仕草をし、それが手話で可愛いという意味だとわかり、わたしは手話の世界に興味が出てきた。行きも帰りも同じ席であったが、外の景色を見る暇もないほどかれらとの話に興味を持ち、しゃべった。聾唖者の人生、生き方がわかり、感動した。わたしは心臓のバイパス手術をし、どもりという障害者であるが、一般人並みの人生を送ってきた。その夫婦はしゃべれないので必要な時は紙の書いて筆談し、生活に不自由はしていないと言った。わたしに子供はいるのか?孫はいるのか?可愛いよね!としきりに言ったが、わたしは薄笑いを浮かべて、複雑な事情は話さなかった。

 今日はその出来事を思い出しながら、チャップリンのサイレント映画(街の灯)の場面を思い出してその二つの光景が重なった。(街の灯)は浮浪者でおどけ者の主人公が盲目の女と知り合い、恋をするが、彼女の目が見えるようになって彼の本当の姿を知って、去ってしまう、と言うストーリーであった。バスの中で話した聾唖者の妻がその盲目の女に見えた。無声映画特有の豊かな表情であり、二人とも美人であった。障害者というハンディが逆に美の効果を強めた。映画は声が出ずに字幕で物語が進むのでわたしと聾唖者たちとの交流に似たところがあったことに気づいた。手話は身振り手振りと言う点で一般人も良く使うものであるが、指先の表情の素晴らしさをわたしは知った。手で感情や考えを現すもので、日本舞踊やダンスと同じ芸能に属するのではないかと考えた。

 新しい世界に触れた満足感を与えてくれた。火曜日に公民館で手話の教室をやっているからと誘われ、行くつもりである。

 

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