ブログ - 201711のエントリ

神歩きー5

カテゴリ : 
日記
執筆 : 
nakamura 2017-11-27 6:22

 昨日、エホバの証人の信者からケイタイに電話がかかり、会って話をした。夫婦連れであった。わたしにとっては自分の考えを試せる機会であり、面白かった。わたしは逆に布教する側でもあった。

 彼は創世記から、禁断の木の実、バビロンの捕囚、ノアの洪水、バベルの塔、と聖書を開いて、話してくれた。わたしは聖書は文学として面白く読んでいますと言い、寓話や比喩が文学的だと付け加えた。まさにその通りであった。神が作家であり、キリストは神の子と言われるように神の分身・主人公なのである。このように捉えるとよくわかる。

 神が天と地を作り、あらゆる生命を作られた、と彼は言うので、(そんなに力があるのであれば宗教戦争やイスラム教徒のテロなどなぜ防がないのか?)と問うと、彼らは沈黙した。

 (あなたたちの信者は何人いますか?)と問うと、世界的に相当な数がいる、と答えるので、(物理化学の法則は地球始まって以来、全人類、あらゆる場所で通用する。それには到底かなわないですよ)と言うと、(その法則は聖書にも書いてある)(それは言語で書いてるので不確かな部分があるが数式はあらゆる国に通用するのです)と反論した。

 二時間ほど議論が続き、妻の方はわたしの回りくどい話に少し、苛立ったようであったが、夫は冷静で、重力やエネルギーの法則なども知っていた。

 (あなたたちはキリスト教の側から説明し、わたしは物理化学の方から説明するけど、真理を追及すると言う点では一致している)

 と言うと互いに納得した。

 一週間ほど前のニュースを思い出していた。(量子コンピューターが出来ました。これまでは1と0

の組み合わせの記号だったけど、は1でもあり、0でもあるという考えに基づいています)という内容だった。これはまさに(シュレディンガーの猫)の論理である。毒ガス装置のある箱に入っている猫は(生きてもいるし、死んでもいる)のである。

 どの世界も二項対立で成り立っている。

 (あなたたちは邪教とかサタンとか言うけど、それは神が必要としているのですよ)

 (・・・・・・・・・・・・・・)

 (神の正しさを証明するためには対立物を持ち出すしかない。アメリカがイラン・イラク、北朝鮮などの敵国を絶えず必要としているように)

 私は言い、彼らは黙っていた。

 別れ際に夫の方が、(今度は権威について話します)というので、了解した。

 

神歩きー4

カテゴリ : 
日記
執筆 : 
nakamura 2017-11-23 6:02

 エホバの証人は布教のために、いろんな家庭を夫婦や子供連れで訪ね歩いている。庭の花々に眼を向けながら、(この世は天国)だと訴えんばかりに満面に笑顔をうかべている。彼らを知ってる者達にはすぐにわかる。

 わたしはその笑顔を羨ましく思いながらも、入信することはないと信じている。年収の一割が寄付金として必要だと言われ、それは(満面の笑顔)からみれば決して高いものではないと考えるが、入信すればわたしは(わたし)を捨てなければならない。若い頃、いろんな希望を抱いていたが何一つ達成出来ず、単に生きることしか出来なかった人生であった。が、入信すれば戒律としてとがめられるものが多くなり、わたしは無頼漢に近い男でこれまで放縦な自由を満喫してきた。常識外れの考え方をし、酒色にふけり、煙草を吸い、怠惰や反抗にふけり、時には喧嘩をし、万引きもした。

 小説を書くことで自己を可能な限り、見詰め、探求した。なぜ、あなたは(自分)にそんなにこだわるのか?と問われたこともあったが、もっとも身近な自己を探求することは死ぬまで飽きることのない楽しみでもある。

 信仰とは自己放棄である。そうでなければイエスや仏を信じることは出来ない。エホバの証人のパンフレットに書いてあるように、夫婦は尊敬し合い、両親を尊び、淫行をしてはいけないし、盗みや人殺しもいけないのである。

 四日ほど前の毎日新聞に(共依存の倫理)というタイトルが書評欄に掲載されていて、現代人は(他者の問題にばかり注目する、自己を喪失した病人)と書いてあった。テレビのニュース・ショーやスマホ、噂話、他人の行動の監視に自分自身を奪われている現代人は多い。自分から逃避し、それらに一日を奪われている人は自分と向き合うことが辛いからである。それは過労死に至るまで働くことも(ワークホーリックー自己喪失)ではなかったのではなかろうか?

 神権や王権の抑圧体制からのがれるために人権思想が産まれ、民主主義に進み、信教、思想、言論の自由が認められ、個人主義の生活に至った。自己放棄とはその流れに逆行することであるが、個人主義が進み過ぎて、自己の人生に悩んでいる人が多い。家出人が届け出があるだけで八万人と言われている。届け出がない人を含めればその二倍は存在しているであろう。

 自己を捨て、神が絶えず自分に付き添っているという宗教があり、それに入る人が多いということは納得できる。絶えず神が自分のそばにいてくれて導いてくれる、これは家出人や自殺願望の人たちにとってはまさに、(救いの神)であろう。

 

神歩きー3

カテゴリ : 
日記
執筆 : 
nakamura 2017-11-23 5:34

 エホバの証人は布教のために、いろんな家庭を夫婦や子供連れで訪ね歩いている。庭の花々に眼を向けながら、(この世は天国)だと訴えんばかりに満面に笑顔をうかべている。彼らを知ってる者達にはすぐにわかる。

 わたしはその笑顔を羨ましく思いながらも、入信することはないと信じている。年収の一割が寄付金として必要だと言われ、それは満面の笑顔からみれば決して高いものではないと考えるが、入信すればわたしは(わたし)を捨てなければならないことを知っているからである。いろんな希望を抱いていたが何一つ達成は出来ず、生きることしか出来なかった人生であった。が、入信していれば戒律としてとがめられていた自由をわたしは満喫したのだ。常識外れの考え方をし、酒色にふけり、煙草を吸い、怠惰や反抗にふけり、時には喧嘩をし、万引きをした。

 小説を書くことで自己を可能な限り、見詰め、探求した。なぜ、あなたは(自分)にそんなにこだわるのか?と問われたこともあったが、もっともも身近な自己を探求することは死ぬまで飽きることのない楽しみでもある。

 信仰とは自己放棄であるし、そうでなければイエスや仏を信じることは出来ない。

 四日ほど前の毎日新聞に(共依存の倫理)というタイトルが書評欄に掲載されていて、(他者の問題にばかり注目する、自己を喪失した病人)と書いてあった。テレビのニュース・ショーやスマホ、噂話他人の行動への監視に自分自身を

 

神歩きー2。

カテゴリ : 
日記
執筆 : 
nakamura 2017-11-20 6:55

 四日後、エホバの証人は訪ねて来た。今度は美人の女を連れではなく、夫婦であった。彼の車の中で神について話した。彼は自衛隊で働いていたが、人を殺してはいけない、と言う神の教えに従って、38歳で退職した。外国では徴兵制があって、軍隊に入ることになっているが、信者の場合はどうするのか?と尋ねると、アメリカの場合は兵役の代わりにボランティア活動をして免れ、韓国では刑に服すると言い、実行しているという。

 昨日、エホバの証人の王国会館で集会があるから、来ませんか?という電話があり、彼の車で行った。百人ほどが会館に集まり、話を聞き、賛美歌を歌い、神に対する好意的な意見を席からマイクで話した。私も歌い、話を聞いた。老若男女が幸福に満ちた顔で椅子に座り、聖書を手にし、一つの神で結ばれていた。二時間ほどで終わると、勧誘者はわたしを周りの信者たちに紹介した。ある老女は衣料品店の裏にある大きなお家ですね?と言って私の家を知ってた。わたしの近所の人の従弟がいて、彼はきちんとした身なりで神について冷静で安らかな表情で講演をした若者であった。初めて私の家を訪れた美女が私に笑いかけ、これは弟です、と言って隣の男性を紹介し、彼は内面から滲む笑いをわたしに向けて、よろしくお願いします、と言った。

 若い頃、(統一教会)に誘われて行ったことがあったが、70歳の今とは感じ方が異なっていた。こんな雰囲気の世界に入りたい気分であったが、わたしが観察者の姿勢は崩すことはないであろう。

 神は一つであるがそれに帰依する人間がちがうので色んな宗派、宗教が出来ると勧誘者は言った。異教徒たちを悪魔・サタンとみなして自分の宗派に入れようとしたり、悲惨な宗教裁判、宗教戦争を起こしたりした歴史、また、テロなどの現実世界は信者達あの満ち足りた笑顔の裏に必然的(二項対立)

出るものであると考えた。

 帰宅後、いつもの山道を幸福な気分で歩いた。急な坂道や石ころだらけの悪路で、体がふらつきそうになることがある。これは単に歩いているのではなく、歩くことで(祈っている)のではないか?と考えた。

神歩き?1

カテゴリ : 
日記
執筆 : 
nakamura 2017-11-13 6:05

 一昨日の朝方、玄関のチャイムが鳴った。いつも寄って行くO君か年金の会のM君だろうと予想して行ってみると、スタイルの良い若い女と初老のネクタイ姿の男が立っていた。

 「いきなりチャイムを押して迷惑をかけました。良いプレゼントがあるのですが、いかがでしょうか?」

 女優にしても良いような美女は魅力的な笑みを浮かべて私に言った。

 (エホバの証人)だとわたしは直観した。彼らは二人連れで訪れ、美女をマスコットガールに仕立てて訪問し、道を歩きながら、家の庭の花々に眼をむけながら、(この世は天国)だと言わんばかりの表情を浮かべながら、移動していく。

 「御覧のようにうちには果樹も野菜もじゅうぶんにあるのでプレゼントに不自由はしていません」

 「そうですね。広くて素晴らしい庭ですね」

 彼女は庭や木々を見回した。

 「ところでご主人、聖書を読まれたことありますか?」

 初老の男は静かに口を開いた。

 「宗教の考え方には興味がありますが、宗教団体には興味はありません」

 「そうですか、神についてのお話なら、(王国)に来られてお話を聞かれたら満足されますよ」

 「ものみの塔、の方ですね?」

 「そうです」

 「時々、こうして来られます。‥さんも来られました」

 「知っています」

 「一神教、ヨーロッパではキリスト教ですが、それは他の宗教を邪教、悪魔と呼んで攻撃しましたよね」

 「うちではそんなことはしません」

 「けど、キリストしか信じない一神教ですよね?」

 「そうです」

 「かれらが起こした宗教戦争、宗教裁判の被害者はベトナム戦争、イラク・イラン戦争、イスラエル独立戦争も含めて計り知れない数ですよ。原因は他宗教を廃絶する一神教にあるのです。それにその宗教を運営する牧師、ローマ法王などはその団体の寄付金で生活しているから神のためではなく自分の生活の為という意図を持っているのですよ。キリストはすごく純粋な気持ちで布教活動を始めたのですが人間がかかわると利害がからんで政治の世界と同じになるのです}

 マスコット・ガールの美女は絶えず笑みを浮かべているが、初老男は門扉を挟んで私に近寄って来て、真剣な眼になった。

 「わたしたちは他に仕事を持ちながら活動しています」

 「あなたたちの組織の運営はどんな仕組みになっていますか?絶えず(王国会館)に常駐している専従者がいるはずですし、ピラミッド型の組織になってはずです」

 「ご主人、次に約束してた家がありますので、この話は次にゆっくりさせてください」

 初老男は言い、二人とも背中を向けた。

 たぶん二度と訪れないだろうが、わたしは論争を楽しみにして待っている。

 

 

楽屋裏は日の出前。

カテゴリ : 
日記
執筆 : 
nakamura 2017-11-6 21:03

 警備会社で働いていた頃、格闘技家の前田日明の警備をしたことがあった。天井に一個の電灯がついただけの控室であった。彼はパンツ一枚の姿で独り、試合に備えて、気持ちを整えていた。時々体を軽く揺すったり、両肩を回したりしていたが、椅子に座りぢっとし始めた。沈黙と闇がリンクした。わたしは5メートルほど離れた位置で彼を見ていたが、自分が警護する立場であることをすっかり忘れ、彼を観察していた。闇の中にすごいエネルギーがオーラを放っていた。真剣勝負を控えていたのだろう、殺気が迫って来た。

 昨日、戸畑のウエル・戸畑と言う大型施設でカラオケ発表会があり、わたしは出演することになっていた。ステージで歌う10人前までが楽屋裏の待合室で順番を待っていた。音響機械があり、マイク渡しや進行係など関係者がいて、出場者はステージの方を観たり、小声で歌を歌ったり、緊張して黙り込んだり、仲間としゃべったりしていたが、そこも同じく天井にわずかな明かりが点いているだけの殺風景な闇であった。

 わたしはステージに進む段になって歌詞を思い出そうとした。が、頭の中は真っ白で何も無かった。ステージに立てば、目の前のモニター画面に歌詞が出ることを知っていたのでそれを見ることにした。歌い始めると、自分の手が歌詞の世界に合わせるように動き、(千鳥の舞)という物語の世界を演じ始めた自分を知り、安心して歌っていった。

 歌い終わると、カラオケの先生が立っていて、あなたを見損なっていたわ、と言ってくれたり、先輩が下腹に力が入っていなかったよ、などと忠告してくれて嬉しかった。

 帰宅すると、読んでいなかった朝刊を読んだ。9人を殺した座間市の殺人事件のことが載っていた。殺人者の楽屋裏は彼の一間の部屋であるが、9人の死体を箱の中に入れたまま、逮捕される前の日まで寝起きしていたのだ。金が目的だったとか、暴行が目的だったとか供述しているが、死体を埋めるとか川に捨てるとかしてなぜ証拠隠滅をしなかったのか不思議である。彼にとってそれは死体ではなく、幸福な生活を共にした記念品であったに違いない。命を共にした絆の象徴であったのであろう。

 私の部屋には4箱の昆虫箱、カブトガニ、ハマグリなどの貝が壁に飾ってある。アゲハチョウ、紋白蝶、カミキリムシ、クワガタムシ、カミキリムシなどが羽根や脚をピンと張ってまるで生きたもののように並べられている。40年前、東京から戻った時に採集したものである。

 私の青春を共にした大事な記念品なのである。それらは色も落とさず、当時に姿のまま箱の中で生き続けている。わたしは思う。殺人者は私と同じように、八人の女たちの姿を、出来れば、当時のままの姿で保存し、いっしょに生活していたかったに違いない。私の母が、自室で孤独死をしていた時、葬儀屋に頼んで死装束に包んでもらい、葬儀場に運んでもらったが、わたしは母の死に目に会い、母と一晩過ごしたかったといつも悔やまれる。

 生命が死んで物体物質に戻ると言う事は生命が生まれるのと等しい出来事なのである。昔、(水のないプール)というエロ映画監督の作品があった。そこでは女の下着を収集した男が部屋の中で、たくさんデザイン豊かなパンティやブラジャーに囲まれて、天国にいるような生活をいていた。彼は母の胎内にいるような気持であったのだろう。男は誰でも狩猟者・収集家のDNAを持っているが女には少ない。性同一障害を始め、時代や人間を見直す転換期に来ていると思う。

自殺をしなかった理由。

カテゴリ : 
日記
執筆 : 
nakamura 2017-11-2 10:46

 神奈川県座間市のアパートで9人が殺された事件が、世間を驚かせている。殺された男女のうち、8人は自殺願望であった。二週間でそれだけの人間を殺し、犯人は金目当てとか暴行が理由だったと供述しているが、私はそうは思わない。殺すことの快楽にはまったと想像するが、年間8万人もの若者が家出をし、ほとんどが行方不明という事実にわたしは自分が19歳だった頃を思い出した。

 小学生の頃から、テスト責めの学校生活を送らされたのに、結果的に第二志望の大学受験にも落ちた。吃音矯正の学校にも何度も通ったが治らず、体は虚弱で、恋も出来ず、就職も考えられず、どうしたら良いのか全くわからなかった。断食道場で一週間の断食をしたものの、食養生が出来ず、餓鬼のように貪り食ってしまった。自殺しようと考え、高校の修学旅行で,好きな女の写真を撮った箱根に家出して行った。もちろん彼女と口をきいたこともなく、片思いであったが。

 睡眠薬とウイスキーを飲み、首をつれば苦しまずに死ねると勝手に考えていた。箱根の別荘の空き家に侵入して、寝泊まりしていた。公衆トイレに入った。薬局で買った睡眠薬を飲み、ウイスキーを飲んだ。ロープに輪を作って、吊り下げ、首を入れた。自殺の実感がわかず、何だかバカくさくなった。

 もう一度考え直し、思い迷った。結論は、自分を殺さなくても、いつか事故にあうか、病気になるか、年老いて死ぬのだ。無理して死ぬことは無い、ということであった。

 それ以来、いろんな事に出会ったが、セックスもたっぷり行い、酒を飲み、美味しいものを食べ、結婚して子供をもうけた。自殺しなくて良かったと思う。

 70歳の今は、自殺などしなくても(死)が向こうから訪れ、自分で死ぬ必要がない。若い人に言いたいのは考え方次第で苦悩もどのようにでも変えられるということ。今と同じ状態がいつまでも続くことは無いのでもある。

ログイン
ユーザー名:

パスワード:


パスワード紛失

ブログ カレンダー
« « 2017 11月 » »
29 30 31 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 1 2
アクセスカウンター
2024/05/08:69/77
2024/05/07:109/134

2024/04/08より2141/7105