ブログ - 20130216のエントリ
(お蔭様です)とは日本人が日常的によく使う言葉ですが、昨日、ある人からこの言葉の意味を聞きすごく感動しました。恥ずかしいことにその言葉の裏にあるものも知らず、考えたこともなかったのです。(お陰)とは目に見えない影のことを言っているわけですが、神仏を暗に示しているわけです。目に見えない神仏のご利益のお陰という意味ですが、わたしはそこに日本文化の繊細さを感じ取ります。
欧米にだって(神のおぼしめし)などとよく使うわけですが、この言葉は神仏を直接出さず暗に示すところに深みと味わいがあります。
私も65歳になって振り返ってみれば自分が自分の意志で独りで生きてきたわけではないし、生きていくわけではないことがわかります。自然の力、先祖の力、家庭の力、友人、知人の力など省みればいくらでもあります。自分はそれら(他力)にも動かされながら生きてきました。
(人間にとって感じ取れないものは無いにひとしい。だけど感じ取っている世界はほんのわずかだから知らない世界のほうが多い)
ある人にそう言いました。
(グアム島で二人の日本人が通り魔に刺し殺されたけど、あの犯人の顔を見るとまだ子供の顔だよね。彼が独りで通行人を車でつぎつぎに轢いていき、車から降りてナイフで刺していったなんて想像もできないよ)
(そうだな。さっきのお蔭様、の言葉じゃないけれど目に見えない世界の力が加わっていたんだよ)
(そうだよ。私たちにその影に動かされてるだけかもしれない)
わたしとその人はいつもの散歩道を歩きながら、そんな会話を交えました。