ブログ - 20120916のエントリ
私の住んでいる町は北九州市と福岡市の真ん中にあります。山あり海ありで、のどかな良いところです。県内の人に町の名前を言っても知らない人が多く、(秘境)ですか?といわれたこともあります。
現在わたしは心臓手術後のリハビリのため、毎日ワオーキングを一時間ほどしています。家から舗装された歩道をあるき、別宅の前を通り、暗渠をくぐると安アパートがあります。そのあたりからゆるい坂道になっていて、以前は息が喘ぎはじめたのですが今はらくに昇れます。民家が途絶え、池に近づくころ、舗装がなくなり、砂利道になります。
散歩していてよく出会う人と立ち話をします。彼はいつもつぎのような話をします。
「このコンクリートの下にも植物や虫がいて生きてたのですよ。それをコンクリートで埋めて殺してしまってる。町はまたここに道路をつくって自然を破壊しようとしている。海老津駅南を開発し地下通路や広場をつくろうとしている。この自然を大事にしようとはしない]
彼は話しつづけ、私はもっともだと納得します。
池の先からは木々の緑が深まり、地面に木漏れ日が落ちて緑のトンネルが続き、別荘らしき一軒家がみえてくる。そこから先は下り坂になり、杉の木立が頭上の空 にかかり、映画(天城越え)の場面を思い出させる。そこは砂利もなく昔の地面のままである。ほぼ50メートルほどの長さである。そこを抜け、我が家の竹の子山までの坂道を上り、散歩コースを終える。
振り返ってみると、2キロメートルも歩いて、地面はたった50メートルしかなかった。地面は足が踏む力を吸い取り跳ね返りの衝撃をやわらげてくれるから、散歩には良いし、踏む心地も良い。
こういう地面がこの町から日本から地球から消えていっていることは悲しい。いつも出会う散歩者は言っていた(石ころだらけの道は踏むのに気持ちが良い)と。
土の呼吸は大地の呼吸です。わたしの呼吸と交わり、大気の中で循環し、宇宙に広がっているのです。