ブログ - 20250927のエントリ

女郎蜘蛛宇宙を編みて護りしや

カテゴリ : 
日記
執筆 : 
nakamura 2025-9-27 8:30

  酷暑が去り、朝夕、少しは涼しくなった。この夏、室温が三十八度の生活に老骨が耐えたことは褒められていいことである。七百坪の敷地の草刈りは何とか進み、一巡しそうである。次には、二か月前に刈った場所をまた刈らねばならない。それが終われば正月に備えての木の枝の伐採が待っている。豪邸に住んでいる、と言われても農作業者にすぎない。

 虫の数がめっきり減った。四十年前と比較すれば自分の周りから絶滅したのも多い。カミキリムシは一匹もみなかったし、ゴミムシ、ハンミョウ、マイマイカブリなどは一匹も見なかった。夏には親指ほどの幼虫がうろついているはずであったが一匹も見なかった。

 それに引き換え、セミや蜘蛛は健全である。直接、地面と接触しない生活なので農薬から身を守ったのであろう。草刈りをしていると、蜘蛛の巣に顔をふさがれることが多い。考えてみると、必ず、目線とぶつかるのである。蜘蛛はどの高さで人が歩き、そこに蚊やぶよが寄ってくることを知っている。それに巣の張り方は匠と言われるほど精緻である。誰に教えられたわけでもなく、DNAに従っているのであろうが、神業でもある。一本の基線は風に垂らして枝に寄せ、絡みついた縦線から決めていき、基線は三十本も張って、横糸を千本近くもつないでいく、一日では完成しない大作業である。それをもくもくと続けるのである。人間顔負けでくある。オスはメスの百分の一も小さく、網は張らず、かかった餌を食い、交尾する。

 雨の降った後など、巣を見ると、まるで銀河のように輝いている。神の作った宇宙を見る想いになる。人からは無視された生き物が細々と生きていることに心が打たれる。自分だって、その一匹にすぎない。

 

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