ブログ - 20231209のエントリ
もうそろそろだな、と思いながら汲み取り口のふたをあけると、上の方まで溜まっていた。二ヶ月分ほどの生活の付けであった。
ひしゃくで汲み取りながらバケツに入れ、三十メートル先の畑まで持って行き、タマネギやアマクリナムの根元にかけてやる。ほぼ二時間はかかるので、休みながらやっていくが、近頃はいつまでつづくか、やがて付けは放置されたままになる、と心配にもなる。まわりに家がないので苦情は出ないし、自分は心不全防止の薬を飲んでいるので臭いはしない。
つい最近までみなこのようにして、人生と生活の付けをみずから自然に返していたが、いまではこんなことをする者はよほど離れた僻地でしかないだろう。落とした便は下水道をとおして処理され、海に流され、人々は自分のうんちさえ、眼で見ることは少なくなった。じぶんの汚れを見ることが少なくなり、トイレに巻く芳香剤の害を考えることはない。
便を野菜にかけてやると驚くほど元気になり、栗の根元にも最近かけるようになったので、四本のクリの木に1000個のクリがなるようになった。肥料代も助かるし、自然界に還元するわけだから、いいことばかりではないか?
人糞肥料を売り出すべきではないだろうか?鶏糞や牛糞はあるのになぜ人糞肥料がないのか不思議である。