ブログ - 20191009のエントリ
72歳になって,性欲は落ちてきた。人生において、食欲、性欲、睡眠欲などの三要素の一つが落ちていくわけだから、淋しい、と言えるが、その存在の意義が逆にわかってきた。
わたしは男であるから、あの若き頃、女は輝いて見えていて、町に出ると女の方ばかり見ていた。今の女はズボン姿が多くなり、色気を失ったが、まれにスカート姿の女が現れると、希少な存在として見える。やはり、スカートからはみ出た脚の美しさは格別であり、そのふくよかさは母の優しいさにも通じる美であり、スカートやワンピースの色やデザインによってさらに魅力を変え、強めるのである。
性欲が衰えたからといって、女の魅力が失われたわけではなく、ロウソクの灯のような明かりで、女の姿は微妙な陰影を豊かにして、絵画の中の女のように輝かせるのである。これは女性の視点の場合も同じである。老女がまれに、わたしをにんまり見詰めている時、わたしはその視線の中に潜んでいるリピドーを感じ、たがいに生きている実感をわかせる。
灰になるまで、と言われるが、老女と体を交える時があれば、まさにそのことを感じさせるであろう。桃の実の場合でも、新鮮でみずみずしい味わいもあるが、腐りはじめた時の(ただれた味)も格別である。そんな期待と想像をしながら生きている日々である。