ブログ - 20180625のエントリ
毎週、火曜日にはカラオケ・ボックスに行く。15時から始まるカラオケ教室の予行練習であるが、一人で部屋に入ることには最初、気が引けた。自分の変わり者ぶりを見せているように思えたからだ。いつの間にか慣れてしまった。自分の歌い方をテープに録って聞き、自分で評価する。近頃は歌手の歌い方ではなく、自分の歌い方が出来るようになってきて、自分への期待感が増えた。
受け付け嬢ともすっかり親しくなった。自分の入る部屋のエアコンを事前に入れて、冷やしてくれていて、私は彼女に花や果実を持って行ってやる。跳び上がらんばかりに喜び、わたしも野菜作りの出来る家に住みたいわ、と言う。三十前の女であるが、彫りの深い顔立ちをしていて、眼が輝いている
「あなたは毎朝、自分の顔を鏡で見るのが楽しいやろう?」
「どうして?」
「今日はこの美しい顔をどうやってメイクしてやろうかな?なんて考えるのは楽しいじゃない?それに引きかえ、俺なんか、白髪ばかりの疲れた顔してて、見るのがうんざりするんだ」
「そんなことないわよ。ハンサムよ」
その言葉に嬉しくなり、梅の実やトマト、ヤマモモの実など次々に持って行ってやった。ヤマモモの実を見るのは初めてらしく不思議そうに見ていたので、女の人の乳首みたいだろう、と言うと、可愛いわ、とこたえた。
「どうしてこんなにたくさん持ってきてくれるの?」
そう聞いてきたので、あなたが好きだから、と言おうとして途惑ってしまい、今も言えないでいる。
時々、小学生の彼女の子供が来て、パソコンで遊んでいる。
もちろん、夫はいるのであろうが、どうも聞きづらい。
自分の気持ちが変に揺れている。
老境の恋だろうか?