ブログ - 20150419のエントリ

67歳の大学新入生

カテゴリ : 
日記
執筆 : 
nakamura 2015-4-19 5:13

 昨日は福岡教育大学に行き、演劇部の「スイート・ミード・トリッパー」を観た。高校卒業・大学入試・演劇部の活動・恋愛と錯綜する多感な時代を取り上げた舞台だった。演劇を観るのは初めてに等しかったが、現在執筆中の小説へのヒントにも出会え学生達とも親しくなれると考え、竹の子をゆでてる最中であったが中断してでかけた。その大学の公開講座「基礎物理学」にも通っているし、以前の仕事の関係上学生たちの生活のことも知っていた。

 すごく面白かった。一般者も交えて60人ほどの観客が入り、満員であった。若者らしくきびきびした演技で繰り広げる世界はエネルギーに満ち、自分の学生時代がよみがえって錯綜し、感激した。あんな時代があったと思うわたしは余命を控え、夢も磨り減った昨今である。わたしのその時代は大学は全学連に占拠され、マイクでがなる声がキャンパスに響き渡り、リンチ殺人が起こり、機動隊の催涙弾が飛び交い、一撃の必殺の空手同好会ではリンチを受け、マージャンに狂い、アルバイトで土方をやり、女を買い、友達の部屋に泊まりこみ、と振り返れば凄まじい青春であった。

 教育大は八重桜が満開で春が訪れ、広いキャンパスで学生達が静かに歩いていた。剣道部で気合いが飛び交う場所以外はなんとも静かで逆に物足りなさと不安起こさせた。演劇自体は活発でディテールの会話のやりとりが面白かったが恋愛心理、その複雑さ、意外性、不可解さが足りず、主題のインパクトにやや欠けていた。わたしの現在執筆中の作品あるいは(恋愛とは化学反応である)という意外な考えなど挿入するともっと面白かったのではないかと想像した。

 公開講座も二度目を2日前に終えたが面白かった。進学高校での物理学は方程式・練習問題だらけで物理学の本当の面白さは味わえなかったが、福岡教育大学の場合は教員志望者が多いので(教え方を教える)というマニュアルが入っているようで、アルキメデスが浮力を発見した経緯や自動車のブレーキを踏む場合にはパスカルの原理が利用されているなど日常生活に絡んだ講義の仕方をするのですごく面白かった。ただ先生は受け持ち領域しか知らず関心もないせいか、「光と熱によって物質が発生したとネットにのっていましたが、物質の発生にっよって時間と空間が産まれたのですか?」「作用・反作用の法則はわかりましたが滝の水がつぼに落ちる時にも反作用が起きるのですか?」「中世までは物理学と哲学は一つだったのですがどうして分離していったのですか?」などの質問には明確な回答がなかった。やはり専門性の狭い世界に閉ざされていて、専門家が総動員されて出来た原発だって東北大震災のような惨事を起こすことがわかった。今度は大学総長に会って専門性の起こす惨事について話をし、教育改革、資本主義・民主主義(金権主義)について討議をしたい。

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