ブログ - 20130405のエントリ
夕方になるといつも散歩していますが、気になる草が道端に生えていました。頭上高くヒノキが茂った下で、暗がりに頭部の曲がった花みたいなものが立っているのです。高さは40センチくらいです。カラーという花に形は似ていますがそれより目立たず、陰気な感じです。
今日は車を出して散歩道まで行き、スコップで掘り取ってきました。量販店の園芸店舗に持って行って、店のオバサンに見せ、花の名前を尋ねました。(マムシグサだと思いますが、ネットのサトイモ科で調べれば載っているでしょう)という言葉を聞いて帰宅し、パソコンで調べました。
ありました!
なんと、(マムシグサという名前で日陰を好む。葉や茎には毒があるので注意すること)と書いてあるではありませんか。珍しい花だから産直の店に出せば売れる、と考えていたわたしの邪な夢はくじけました。毒のあるものを置けるはずはありません。
庭先に置いたマムシグサを眺めました。その名の通り、垂直に立ち上がったマムシがカマクビを下げ、獲物に跳びかかろうとする姿勢がありました。反面、その姿は寂しくつぶやいているように見えました。(ぼく知らないところに来たみたい。電車の音は前のすみかと同じだけど、ここはいろんな木や花が茂っているいる。日の光が強すぎるから嫌だな。これからどうなるのかしら?)なんて。
さて、どうしたものか?毒のある花を産直の店が買ってくれるはずはないし、もとの山に戻すのも面倒だ。庭の日陰にでも植えておくこうか?でもこの家には日陰の場所は少ない。
マムシグサは庭のスイセンやチューリップ、クロカスなどの鮮やかな花々を目の前にしてポツンと孤立して見えました。恐い名前をつけられたうえ、人の手で育てられた華やかな花たちの中に入れられるのは場違いなのしょう。
でも、もしかしたら?
と考えました。
マムシグサは自分の姿をマムシに似せることによって敵を近づけず、身を守っているのではないだろうか?(擬態)という方法で。そうだとすれば相当な知能の持ち主である。食虫植物がいるようにかれらも生き延びることに必死なのである。
そしてこの草は世の中のことを人間と同じように知っている。マムシ、という恐い蛇がいて人間や動物たちに怖がられている。だからその姿に似せていれば少しでも敵を遠ざけることが出来る、と。
さらに人間は自然界においても特殊な種族で、自然や自分達を破壊している。自分達を守るためには人間を破滅させなければならない、とも。