ブログ - 20210721のエントリ
女友達から電話がかかってきて、(お願いがあるんですけど)、と神妙な口調になった。何事か?やばい話か?と考えていると、娘が四匹の野良猫を飼い始めたが、会社の中なので飼いきれなくて、里親を探している、それで預かってくれないか?という。
(何だそんなことか?猫島という猫の住む島も近くにあるし、今は猫ブームだからもらい手も多いんじゃなか?)というと、どうやら娘はその猫が好きで飼いたいのだが、家では旦那が反対するので、あなたの広い家でとりあえず飼ってもらったら助かると、いう。
その電話の後、娘は愛人の男といっしょに我が家を訪ねてきた。手土産を持ってくるわけではなく、愛人の男はどこか無愛想な感じで、庭の椅子に三人で腰を下ろし、猫騒動についてしゃべりはじめた。その猫の前にはちがう猫を会社で飼っていて、彼はオールドミスの女と餌をやっていて、二人はできてるんじゃなか?と、噂が立っていた。そこにその娘が入社し、男から仕事を教えてもらいながら成長し、担当部署を与えられたのであった。娘と男は愛し合い、男は離婚して娘と結婚するという。絶えず口喧嘩をして別れると言いながら、別れきれないのである。
もちろん二人の関係は評判になり、男はその不倫が原因で降格させられ、給料も半分になってしまった。娘は自分たちの恋のせいで降格されたことを知り、野良猫を男と二人で飼っていることは余計に目立つと考え、手放すことにしたのであった。
わたしは猫は大好きなので、飼いたいとおもいながら、逃げたらどうしようか?病気になったら治療費がかかる、と心配になってきた。
そんな不安の中に、娘から、餌だけ食べに来ていたその野良猫を捕獲したので、明日の夕方、持っていきます。とメールが入っきた。わたしは驚き、怖くなった。考えた末、自信がありません、と返信した。すると娘そのことを母親に相談し、ご心配をおかけしました、わたしたちでなんとかします、と返信してきたのでやっと安心したのであった。
猫騒動の中で、考えた。
自分が年老いて、猫を飼うことに苦痛をおぼえるようになったということである。
同時に、生き物を愛し、飼うことが怖くなっているということであった。いずれ自分は死に、互いに離れ離れになるのであるから。