ブログ - 20210713のエントリ

カラスの置き土産

カテゴリ : 
日記
執筆 : 
nakamura 2021-7-13 7:18

  今年の夏はスイカを100個つくり、一個を千円で売って10万円ほど儲ける、という計画を立て、実行に移した。4月の初めに苗を100円(振り返ると安すぎた)で二十株ほど買い、植えた。一ヶ月ほどたって成長が遅かったので見ると根がついていなかった。全部捨てて、一個が200円のを17株ほど買って同じ場所に植えた。 

 成長し、つるを周りに伸ばして、黄色い花を咲かせていった。受粉させてやろうかと考えたが、小さな蜂が飛び回り、交配していってくれていた。花は小指ほどの実に変わり、40日はどで大玉スイカになることを知り、女友達に話すと、予約客を5人ほど作ってあげたと言い、うれしくなった。昨年は一株に5個できたのでこのまま大きくなると、7万円になると読んでいた。

 三週間ほどで20個の玉を見つけ、夢を膨らませていると、異変が起こった。畝の端の一番大きなスイカがカラスに突っつかれていた。驚いて、20個スイカにバケツや鍋をかぶせていった。昨年はカラスに突っつかれたことはなく、そんな防御策でじゅうぶんであった。一週間は無事であったが、ある朝、バケツや鍋がひっくり返され、赤くなり始めた実が食われ、むき出しになって放置してあった。ショックを受け、悲しくなった。

 キラキラ光るテープを畝の周りに張り、魚の釣り糸もまいていった。これで大丈夫だと思っていたら、夜明けに、食われ、枯れ草に隠していたスイカまで無残に食われてしまっていた。無傷のスイカが3個、突っつかれたものが4個で、売り物になりそうなのは四個だけになった。電話で女友達に話すと、泣き声をあげ、カラスを怒った。

  一週間後、心が落ち着いていつもの生活に戻った。

  部屋の前の庭を見ると、白い猫が座り、自分をじっと見つめていた。時々見かける捨て猫であった。

  カラスの食べ残しを自分が食べ、捨てていたのをその猫が食べ、自分が猫のために置いてくれたと考えて自分の気持を読み取ろうとしていたようである。静かな落ち着いた目で自分をみつめ、連れ合いを求めているようであった。

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