ブログ - 20210205のエントリ

そばにいるだけでいい

カテゴリ : 
日記
執筆 : 
nakamura 2021-2-5 9:33

  性欲の枯れはじめた今、若い頃の女関係を検証してみると、当時見えなかったものが見え、わからなかったことが少しはわかってくる。男と女は微妙な部分で異なるが、基本的な部分では同じだと思う。今付き合っている女友達は、長電話の中で、様々な気持ちを話してくれるので感動することがある。

 彼女の相手の男は七十七歳で、癌と糖尿病にかかり、医者から、あと三か月と宣告されてたが四か月たって、息も苦しくなっている、と言う。彼女に毎日電話がかかってくる。あまり人を家の中に入れてはいけないよ、立ったり座ったりするから腰を痛めるよ、と気を使ってくれると言い、わたしは彼の優しさを感じた。わたしは女にそんなに優しくしたことはなかった。

 四十年前の出来事の中で、あの女と自分の関係は何だったのか?と考え、言葉にしてみようとしてもできなかった。愛だとか恋だとかの言葉を使うと、本当の姿が消えてしまい、表現できなかった。今はやっとわかるのである。(そばにいるだけでいい)。歌謡曲の中に出てくる詞であるが、的を得ている。言葉も体の交えもなく、そばに黙って居るだけで、心は和み、幸福になるのである。ある出来事が起こり、それはすごく複雑な事情があり、思い出して、今、小説の中で推敲しながら、あの場面を文章にしながら、やっと書けるかな?という気持ちになった。

 その女友達の、彼氏への気持ちも、、そうだと言うし、わたしは彼女と電話で話してるだけでも幸福な気分になるが、ごめん、彼からの電話が入った、と言って電話を切ってしまう。あなたと電話で話してるだけで幸福よ、と今度、言ってみよう。

 

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