ブログ - 20170706のエントリ

優しさが被害者を産む時。

カテゴリ : 
日記
執筆 : 
nakamura 2017-7-6 11:20

 この女性は70歳を過ぎた人だが、近所に住んでいるので詳しくは書けない。A子と呼んでおこう。わたしは彼女の主人と友達であったので親しく付き合うことになったが、彼女の人生の軌跡を知るたびに人間とは人生とは不思議なものだとつくづく思う。

 彼女は商売をしていて、従業員の女が金に困り、借金の連帯保証人になった.悲劇の始まりであるが、彼女の優しさと義侠心は人生のどこかで悲劇を生むか人になったと考えられる。金を借りた女は返せずに自殺まで計りかけたが逃亡してしまった。A子は金を返せず、家を売ったがそれでも借金は残っていた。主人は超一流企業の管理職であったが、給料でも返済は追いつかなかった。彼女は友達から生活費を借りるようになった。彼女は、自分は美味しいものを食べなくても人には食べさせるタイプなので、商売も利益を抜きにして客に振舞った。多重債務者になり、数十人から借金したが、それはよほどの親しみを持たれていたのだと考えてしまう。わたしなど貸してくれる人はいないし、借りる気持ちもないが。ある女はA子は見栄っ張りだと陰で言った。自転車操業になり、彼女の噂話好きも加わって、客は離れ、店をたたんんだ。同時に彼女の体調は壊れ、白内障にかかった。わたしは彼女の借りてる家の連帯保証人を頼まれ、いつも、(一人で食べるのは寂しいでしょう?食べにおいで)と言われていたこともあって引き受けてしまったのだった。一年後から家賃の滞納が始まり、私は不動産屋から請求され、払わないでいるとついに簡易裁判所に呼び出されることになった。被告席に座るのだ。結果的にA子はまた借金して払ったが、なぜ、自己破産をしないのか?と尋ねると、そうしたら借金を返せなくなると言い、わたしは彼女は返したいのだと考えた。亭主は年金生活に入っていたが、三つのアルバイトをこなし、年金も借金の担保に取られていた。

 A子は大きな借金を返し終わり、白内障の手術もし糖尿病も快方に向かっているが、借金は片付いていない。少しずつ返している。

 わたしは優しさが悲劇を生んだのだと考え、小説の主人公にするのであればその観点からとらえてみたい。

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