ブログ - 20140110のエントリ
新聞の広告で、こんな写真をよく見ませんか?開発途上国の幼児の顔がモノクロ写真で現れていて、恵まれない子供達に愛の募金をお願いします、というタイトルで、食料やインフラ、筆記具や本を与えて幸福な社会生活をさしあげましょう、と書いてあるのです。書いた本人はもちろん高度資本主義社会に住む人ですが、広告をよく見ると、その幼児の輝く目は近頃の日本ではうしなわれたものだとわかるのです。開発途上国に資本主義が導入され利便性や快適さでうるおったとしても、それと反比例して輝く目が消えていくことを想像させられます。広告の文章を書いた人は仕事上そんな言葉が浮かんだのでしょうが、それにしてもその広告の文章を見るたびにわたしは逆に文明生活の精神的な貧しさ、文明人の思いあがりを自分もふくめて感じとってしまいます。
昨年の10月に岡垣町町議会の傍聴に行きました。その場でこんなことが議員から提案されました。小中学校の教室にエアコンを設置してくれということです。それには一億円以上の費用がかかるということで否決されましたが、団塊の世代である議員が述べたことにおどろきました。その世代の者が小中学生の頃は寒い時は体を動かして暖めろ、と教えられたはずで、今でも子供はそうすべきだとわたしは思います。
すっかり世の中が変わってしまいました。昼下がりに住宅街をあるいてもほとんど人と出合ったり、見かけたりすることはありません。寒いので屋内でストーブにあたったり、コタツに入っているのです。わたしが幼い頃は大人は庭で畑仕事をしたり、子供は路上で縄跳びや石蹴りこま回しをしていたのです。そこでは歓声が上がり笑いがありました。イシヤキイモやラーメン屋台が呼び声をうねらせていました。
今あるのは(気配の消えた路上)しかなく、野良犬も野良猫も浮浪者も消えてしまいました。