ブログ - 201401のエントリ

凸と凹の不思議な世界

カテゴリ : 
日記
執筆 : 
nakamura 2014-1-21 2:50

 

 

 

        凹

 

 この絵は何に見えますか?わたしはこれがデコに見えるかボコに見えるか問うています。

 ボコに見えるという人、デコに見えるという人がいるでしょう。ボコに見える人は下から見、デコに見える人は上から見ているのです。見る位置と角度によって物事や状態は正反対のも見えるのことに気づきませんか?快感・苦痛、素晴らしさ・つまらなさ、幸福・不幸、善・悪、楽しさ・苦しさ、生と死など人間世界のあらゆる対立観念をこの絵に入れてみれば真逆な世界は見る角度が異なるだけで、実は同じものにすぎなかったことがわかります。

 わたしたちはいつもその時に立っている位置、そこから見える形に振り回されています。金持ちになったから良かった、貧乏になったから不幸、健康になったから良かった、病気になったから不幸、良い異性に出会ったから幸せ、いやな異性に出会ったから不幸、などと気分の落ち着くことは少ない日々です。

 上の絵は異次元世界に反転してみればぴったり重なり、同じものであったことになります。

 鍵と鍵穴の関係にも似ています。

 社会の出来事や人間模様も単純化してしまえばエネルギーの作用と変化にすぎないでしょう。

 楽は苦の種、苦は楽の種、とわたしの母親はよく言いましたがその言葉が思い出されます。楽が多ければ多いほどその裏には苦が潜んでおり、苦が多ければ多いほどその裏には楽が潜んでいます。いつまでも苦しい状態がつづくわけでもなく、いつまでも楽しい状態がつづくわけでもありません。

 冬の寒い時、暖かい風呂に入ればすごく幸せな気分になります。ところがいつまでも入ってはおれません。外に出て冷気に当たり、また体が寒くなって暖かいものを求めたくなります。

 これが人間の一生です。単純といえば単純なもので、けっして難しいものではありません。

 こんなことに近頃、気づきました。

 

 

 

 

                

   凸

     

恵まれぬ子供と名指されて輝く目

カテゴリ : 
日記
執筆 : 
nakamura 2014-1-10 20:49

 新聞の広告で、こんな写真をよく見ませんか?開発途上国の幼児の顔がモノクロ写真で現れていて、恵まれない子供達に愛の募金をお願いします、というタイトルで、食料やインフラ、筆記具や本を与えて幸福な社会生活をさしあげましょう、と書いてあるのです。書いた本人はもちろん高度資本主義社会に住む人ですが、広告をよく見ると、その幼児の輝く目は近頃の日本ではうしなわれたものだとわかるのです。開発途上国に資本主義が導入され利便性や快適さでうるおったとしても、それと反比例して輝く目が消えていくことを想像させられます。広告の文章を書いた人は仕事上そんな言葉が浮かんだのでしょうが、それにしてもその広告の文章を見るたびにわたしは逆に文明生活の精神的な貧しさ、文明人の思いあがりを自分もふくめて感じとってしまいます。

 昨年の10月に岡垣町町議会の傍聴に行きました。その場でこんなことが議員から提案されました。小中学校の教室にエアコンを設置してくれということです。それには一億円以上の費用がかかるということで否決されましたが、団塊の世代である議員が述べたことにおどろきました。その世代の者が小中学生の頃は寒い時は体を動かして暖めろ、と教えられたはずで、今でも子供はそうすべきだとわたしは思います。

 すっかり世の中が変わってしまいました。昼下がりに住宅街をあるいてもほとんど人と出合ったり、見かけたりすることはありません。寒いので屋内でストーブにあたったり、コタツに入っているのです。わたしが幼い頃は大人は庭で畑仕事をしたり、子供は路上で縄跳びや石蹴りこま回しをしていたのです。そこでは歓声が上がり笑いがありました。イシヤキイモやラーメン屋台が呼び声をうねらせていました。

 今あるのは(気配の消えた路上)しかなく、野良犬も野良猫も浮浪者も消えてしまいました。

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