(そんな論理が通用する相手だと思うか?石川は赤いトタン屋根の連中と繋がりがあるし、この情報が彼等に流れれば脅迫の材料になる)
体の隅々にまで残っていた快楽の余韻がと引いていくのがわかった。
(引き返そうか?いや、引き返す気持ちにはならない。倒れるまで倒されるまで進むしかない。こんな事が無かったとして、どんな人生があったというのだ。老いぼれていくだけの人生なんて、仮面人間の人生なんて俺は生きたくはない)
臨時ニュースはなく、ローカル・ニュースにも黒い煙の事は報道されなかった。
第十四章
ツマとの会話はなくなった。わたしは用件や報告があると、メモ用紙に書いて食卓の上に置くようになった。彼女もそれに見習った。筆談の方が、思いこみや誤解がすくなく、理解が正確だった。穂高に言わせると、コンピューターには嘘やごまかしは使えないし、プログラミングするデジタル言語が実用化され、世界中が使うようになれば誤解も争いも戦争も少なくなるという。
人間や社会に期待や幻想を持たなければ期待外れも幻滅も起こらず、あるがままを認めるしかなくなる。政治業界、経済業界、教育業界、宗教業界などすべての業界は言語による幻想を絶えず振りまいている。それがトップ連の飯の種であり、既得権を確立すべく才能にかかっている。一流大学で学び卒業すると言うことはそのテクニックを身につける助走期である。搾取される者達は死ぬまで絞り取られ利用されてきたが、そろそろ幻想の壁をうち破り覚醒すべきではないか。すると本当の事が見えてくるし、自己解放の糸口も見えてくるというものだ。それは穂高の考えであり、わたしの考えである。
飛松は貴金属を盗まれた件で石川の実家を訪れた。妻は深々と、詫びた。貴金属は質に流れてしまったので、金に代えて少しずつ返済すると約束した。石川を一生家に戻さず、僅かな財産も渡さないと彼女は言った。香織からの情報であった。
「二日間、入院させられて良い勉強をさせられました」
穂高は表情も態度も以前とと変わらなかった。
「あれが果たして人権なんでしょうかねえ?隣のベッドでジイサマが鼻から口から、そしてオチンポにまでチュウブを差し込まれて横たわっていました。痛い、痛い、チュウブ
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