わたしは彼女の腰に手を回して抱きしめた。十本の指がサテンの布地の奥に快楽のうごめきを求め、どん欲に吸収しようとしていた。脳裏に春の花園が現れ、香りを求めた。

わたしの股間に彼女の膝が入りかけていた。太股が勃起したペニスの裏に押しつけられ、睾丸とともに優しく愛撫していた。
そのテクニックに驚いた。
「ここじゃ嫌」
彼女は言い、二人は階段を上って、部屋に入った。
「体で話しをしよう、いっぱいね」
彼女は呟くと明かりを小さくした。時空を暗闇で満たした。
それから、わたしの首に両手をゆっくりと回して抱いた。また股間に太股を入れ、睾丸を愛撫し続けた。
わたしは香織の腰を抱き、ダンスをするポーズになった。左右に腰を揺すりながら、二人は唇を合わせた。舌と舌が絡み合い、たがいの口の中をなめくりまわした。
(これではまるで古くからの恋人同士みたいじゃない。見知らぬ男と女がこうしてわけなく親しくなれるなんて、男と女は不思議)
わたしは彼女の口の中を吸いながら、波動で伝えた。
(私とあなたはココだけの関係よ。ココ以外の所で会っても知らん顔よ。だから何をしても、何を話しても良いのよ、ココではね、最高の快楽を得るためにはね。さあ、行き着くところまでいきましょう、何が待ってるか分からないけどね)
彼女はそのようににわたしに話すことになる。
首筋を唇で吸い、肩に這わせていくと、彼女の体中の感覚器官が驚き、ビクッと大きな痙攣を起こした。快楽を燃えたたせ、酔い始めていくのだった。両手の指でパンティのラインをまさぐりながら、黒のティバックに包まれた尻を想像していくと、脳裏の闇の中に白い尻が円を描いて肉感のエネルギーを放射し、わたしの性エネルギーとシンクロナイズした。さらに高ぶっていった。右手を下腹部に回して、中指をパンティの脇から入れてクリトリスに這わせ、固くなりかけた突起をじらしながら擦った。香織は快感に痺れて、腰を落としかけた。彼女はわたしの手を引いてベッドへ誘った。パンティを脱がせ、彼女の宇宙の芯に、中指で愛の波動を送り続けた。
彼女の斜め横顔が薄闇に染まって浮き上がり、刺激に耐えきれないという表情でわたしの目を見据えていた。憎悪のように見えた。わたしは彼女の顔が次第に変わっていき、二十
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