穂高は嗤って言った。

「どんな未来からですか?」
ダミーは言い、穂高と向き合っていた。
わたしは両者の息づかい、思考を観察しながら、似ている部分をさぐり、わたし自身の役割を早く知りたいとも考えた。
「それは二時間後にわかる。以前、立花さんに言った事があると思うけど、川の流れを逆にすることは出来ない。逆にしたとしても元に戻る。私はこの流に従うしかない」
穂高は言って、イカの干物を手で裂いて口に含んだ。
「どんな流ですか?」
わたしは口を開いた。
「今の生活が変えられるんよ。それで充分たい」
ダミーが言った。
「そうよ」
船長は言った。
「宇宙から地上に送り出され、また宇宙に戻る流です。あなたは見届けて欲しい、一部始終を。船長はこの三人を間違いなく日本に返して欲しい」
彼は船長の目を見、次ぎにわたしの目を見た。
「要点を言います。境界ラインで北朝鮮の軍事挺が待っています。それに私が乗り込みます。それから先の計画はわかっていますね?すべて手筈は整っています」
「わかっている」
三人は頷いた。
「いや、私がその前に乗り込み、周囲の反応を試すのでしょう?」
ダミーが口を入れた。
「いや、私が先に乗り込みます。あなたが先に乗り込んだからといって、状況が変わるわけではない。成功か失敗かの確率はどちらにしろ、五分五分なのだ。シュレディンガーの猫のように開いてみなければわからない」
穂高は言った。
「穂高さんにもしものことがあれば、ネット共和国の将来が危なくなる」
船長は顔を両手で擦ると、視線を強張らせて言った。
「そんなことはない。もしものことがあったとしたら、私は宇宙の意識と完全に融合し、
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