ブログ - 20200217のエントリ

義理人情に利害関係はない。

カテゴリ : 
日記
執筆 : 
nakamura 2020-2-17 16:10

  先日、ある老女に野菜を買ってもらいに行った。セリ、フキ、ギンナン、大根を出すと、いくらですかと訊くので、千円でいいです、とこたえた。すると千円札一枚を出し、さらに出そうとするので、それだけでけっこうですよ、と、言うのに五百円を追加した。以前も、違う老女で同じことがあった。彼女は何と、一万円札を追加したのであった。それは彼女の借家の保証人になっているということも関係しているが、彼女の生活は決して、楽ではないのであった。

 外国ではチップをやる習慣があるが、たぶん、請求された以上の金を出すことはない。義理人情は日本人独特の習慣、国民性である。今日、つい先ほど、二人の老女の玄関先には、フキノトウを黙って置いて行ったのであった。すぐに電話がかかって来たので、テンプラにして食べてください、と言った。今の時代においても、義理人情に富んだ人はいる。この前、中近東で奉仕活動をしていた中村哲さんがテロにあい、亡くなって、何千人もの人が葬儀に参列したことがあった。日頃、地域のボランティアをしている人もたくさんいるし、それは珍しい行為ではなくなった。

 見返りを期待しない行為は小さなことでも、すごい力を持っている。買い物に行って、店の従業員から気を付けてお帰り下さい、と言われただけで、それまでの鬱状態が一気に吹き飛んでしまうことは度々、ある。昔の日本人が、貧しくとも、あれだけほのぼのした感情をもち、それが絵や俳句などに反映されているのは、物質の欠乏を精神が補っているからである。切腹や男女の心中なども日本独特のものであり、良い悪いは別にして、(心貧乏()ではなく、(心金持ち)になりたいと思う。

 ただ、今の時代は義理人情が、見返り、として、政治や経済の裏面に利用されていることが多く、歪められてしまっている。本来は利害関係のない世界なのであり、それは潤滑油として人間社会を成り立たせている。

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