ブログ - 20200201のエントリ
ホンダのカブ(50cc)に乗り始めて、30年以上になる。集金の仕事の必要性から乗りはじめたのであるが、自分の妻や友人以上の存在になってしまった。思えば、10年前に、仕事中、盗まれ、ボックスに入れていたカメラ、ビデオカメラを盗まれ、カゴに入れていた弁当や水筒があたりに投げ出され、不吉な光景を見せつけられた。バイクは発見され、戻ってきたが、それから私は狭心症の発作が出始め、カテーテル治療の失敗で殺されかけ、転落の人生が待ち受けていた。バイパス手術で命をとりとめた。
そして、今、退職後、毎日そのカブにのって産直店に行き、友人宅やスーパーを走り回っている。昨日は、鉄条網を買いに行き、気まぐれ天気に振り回されて、雨に会ってしまった。カッパを着ていたが、顔は正面から雨に叩きつけられ、ずぶぬれになった。いつまでも家に着かず、泣きたい気分になったが、カブは音を立てて、走り続けた。
そんなカブに感謝をすることもなく、洗ってやったこともない。タイヤのスパークは錆びつき、座席の下の部分は青い苔が張り付き、年季が入っていますね、と人から言われる。盗まれて鍵が壊されていたので、その部分はそっくり交換し、正確な走行距離はわからないが、10万キロはいっているはずである。
もうすぐ、エンジンが止まるはずだと予想しながらも、走り続けている。
まるで、自分の人生と瓜二つである。